東日本大震災:福島第1原発事故 被災地の子の健康守れ 小児科医らが集会−−中区 /広島
毎日新聞 2013年04月23日 地方版
東京電力福島第1原発事故を受け、放射性物質による子どもたちの健康被害を懸念する小児科医らが20日、中区の広島市まちづくり市民交流プラザで「全国小児科医の集い」を開き、放射線防護基準の見直しや被災地の子どもらの支援策の充実を訴えた。
集会は19〜21日に中区で開かれた「日本小児科学会学術集会」に合わせ、有志の小児科医らが主催。講演では岡山大大学院の津田敏秀教授(公衆衛生学)が、福島県の子供(0〜18歳)約3万8000人を対象とした甲状腺がん検診で、10人に甲状腺がんの疑いがあると診断された点について、「原発事故との因果関係を調査する必要がある」と述べた。
また、集会は全国で「こども健康相談会」の実施体制を確立することや、12年6月に成立した「子ども・被災者支援法」の基本方針を早期策定し、実効性を持たせるよう訴えた。日本小児科学会が11年5月に示した「統計学的に約150ミリシーベルト以下の原爆被爆者ではがんの頻度の増加は確認されていない」とする見解については「まったく根拠がない」と撤回を求めた。【吉村周平】