《朝日新聞【声】》
◆ 国歌斉唱 不起立貫いた教師
無職 上野崇之(大阪府枚方市 71)
卒業式で国歌斉唱時の不起立を理由に減給処分を受けた教諭が、大阪府人事委員会に処分の取り消しを求める不服申し立てを提出した。
会見では「起立斉唱を義務づける条例は思想・良心の自由を侵し憲法違反だ。私はキリスト教信徒で君が代を歌うことに苦しみを感じる」と話したという。
私はこれを単に信仰心だけとは考えない。全人格をかけて君が代の強制に疑問を感じたのではなかろうか。
かつて私が教職現場にいたころ、式の直前まで組合としてこの職務命令の非を訴えた教師たちが少なからずいた。だが結局、起立斉唱した。
「心ならずも」「生活があるから」という理由だろうが、自分への裏切りはその教え子たちへの裏切りと同じ。私は生徒に歴史を語る限り、絶対起立はしなかった。
起立斉唱した彼らが、後になって反対陣営に加わっても説得力はない。
己の全存在をかけて信念を貫く、その覚悟がある教師の存在は意味が重い。
『朝日新聞』(2013/4/24【声】)
http://www.asahi.com/opinion/articles/OSK201304230086.html
◆ 国歌斉唱 不起立貫いた教師
無職 上野崇之(大阪府枚方市 71)
卒業式で国歌斉唱時の不起立を理由に減給処分を受けた教諭が、大阪府人事委員会に処分の取り消しを求める不服申し立てを提出した。
会見では「起立斉唱を義務づける条例は思想・良心の自由を侵し憲法違反だ。私はキリスト教信徒で君が代を歌うことに苦しみを感じる」と話したという。
私はこれを単に信仰心だけとは考えない。全人格をかけて君が代の強制に疑問を感じたのではなかろうか。
かつて私が教職現場にいたころ、式の直前まで組合としてこの職務命令の非を訴えた教師たちが少なからずいた。だが結局、起立斉唱した。
「心ならずも」「生活があるから」という理由だろうが、自分への裏切りはその教え子たちへの裏切りと同じ。私は生徒に歴史を語る限り、絶対起立はしなかった。
起立斉唱した彼らが、後になって反対陣営に加わっても説得力はない。
己の全存在をかけて信念を貫く、その覚悟がある教師の存在は意味が重い。
『朝日新聞』(2013/4/24【声】)
http://www.asahi.com/opinion/articles/OSK201304230086.html