大阪・桜宮高校生徒の体罰自殺をめぐって橋下徹大阪市長が体育経2科の入試中止を強く要求していた問題で、市教育委員会は21日、臨時会議を開き、体育系2科の募集を停止し、普通科で入試を実施することを多数決で決定しました。
この日午前橋下市長は、同校を訪れ、自身が市教育委員会に要求している体育科2日の入試中止について全校生徒に説明しました。
市教委によると、市長の説明を受けて2人の生徒から「体育科を続けた状態でいろんなことを考えていきたい」(受験生にとって)「一度しかない受験の機会を奪ってほしくない」との意見が出されたといいます。
最初に、橋下市長が「長い人生、立ち止まって考えないといけないことがある」などと述べ、入試中止の必要性を強調しました。
これに対し、生徒の一人は「私たちは桜宮高校のことを真剣に考えています。私たちの意見を十分に聞いてほしい」と要望。体育科を続けながら問題を考えたいという気持ちを語ったといいます。
もう一人の生徒も橋下市長の一連の発言について「苦しんでいる人もいる」と指摘。「人生は長いかもしれないけど、今はかえってこない」と入試の実施を求め、「私たちを守ってくれるのは大人です。まもってほしい」と訴えたといいます。
橋下市長の暴言や強硬姿勢に、批判の声が急速に広がり、保護者や、放送、労働者などが緊急に市役所前に駆け付けて終日行動を繰り広げました。
大阪弁護士会は、「教育を受ける権利の保障のために、体罰の根絶と入試の実施を求める会長声明」を出しました。