UPR第2回日本政府審査 カウンターレポート
 
2012年4月24日
人権NGO 言論・表現の自由を守る会
Japanese Association for the Right to Freedom of Speech
 
参政権が確立していない日本において、
3・11後ファシストによる政治と教育の支配が急激に強まっています!
 
1、言論・表現の自由に関する特別報告者を派遣してください。
2、日本政府に対して、『戦争宣伝』を禁止する法律を制定することを求め勧告してください。
3、一日も早く、社会権規約第3回日本政府報告書の本審査を実施してください。
 
政府を批判するビラ配布を犯罪だとして弾圧している日本政府は、個人通報制度を批准せず、市民の参政権を保障する自由権規約19条と25条違反の公職選挙法(文書配布および戸別訪問の禁止規定)と国家公務員法(一般国家公務員の政治活動を全面一律禁止規定)を廃止していません。
最高裁でも人類普遍の基本的人権を保障する自由権規約を無視し続けており、政府を批判するビラを配布する市民を、憲法と自由権規約違反の法律によって全て有罪判決を出し続けています。
当会が参政権に関する2つの法律の改正を求めたレポートを、今年2月の外務省人権・人道課長主催のNGOとの協議の前に文書で提出していたにも関わらず、自由権規約委員会の勧告(2008年10月30日)から3年以上経っているにもかかわらず、外務省は担当総務省の選挙部と選挙課職員に勧告を知らせず、担当者は協議も勧告も条約すら知りませんでした。
 
昨年3月11日の東日本大震災・大津波とフクシマ原発の爆発・放射能汚染によって、全国に大量の避難難民が発生した日本において、政府が公職選挙法と国家公務員法の改正にまったく着手せずに、東北3県以外の全国一斉選挙を強行した結果、首都圏の20歳代の投票率は20%と低く、侵略の歴史を否定して戦争を推進している勢力の大量得票を許してした結果、世界人権宣言と人権規約(自由権規約・社会権規約)違反であるファシズムが台頭しています。
 
日本政府は、2001年社会権規約委員会第2回日本政府報告書審査の勧告に対して、翌年反論し、実施せず、原子力発電所事故に関する勧告も、震災弱者や2重ローンの勧告も、政府は無視し続けているため、昨年3・11の大地震によっておびただしい人々が犠牲になり、継続している人権侵害は人道問題です。
下級裁判所が国際人権規約を無視し、重要な情報が開示されず、万が一の事故対策も極めて不十分だったために、福島原発爆発事故によって多くの高齢者が命を奪われ、安定ヨウ素剤を配布した福島の町村は2つほどしかなく、シロップ剤を投与された乳幼児は皆無であり、癌の多発重症化が近い将来、現実になります。
原発事故の際に避難場所となるべきオフサイトセンターも、福島では爆発現場に近すぎて、放射能の高濃度汚染によって使用できず、3・11大地震の震源地の直近に位置する女川原発では、津波で3階建てのオフサイトセンターの職員は今も行方不明のままで、モニタリング機器も壊滅状態で屋上には漁船が乗り上げ、モニタリングポストも津波で流されたままで再設置されていません。しかも、この震源地周辺地域では、1メートル以上地盤沈下し続けており、大潮に嵐が重なると原発に通じる道路が波に洗われるという重大な問題があるにもかかわらず、政府と電力会社は原発を廃炉にする方針すら決めていません。
 
日本政府が2003年に、イラクに憲法違反の自衛隊を派遣して以降、第2次世界大戦の最高責任者天皇裕仁を賛美する国旗・日の丸と国歌・君が代に対する敬意の表明を、教員に卒・入学式の際に処罰をもって強制するという精神的拷問が、公教育の学校現場の卒入学式においてエスカレートしています。
首都東京都の教育委員会は、ナショナリストの石原慎太郎東京都知事の命令で、卒・入学式で「君が代」を立って歌わないかったことを理由に通達に違反しているとして、420人もの教師を処分し、昇給昇進も差別しています。その上、60歳の定年後、65歳の年金支給までの5年間、他のすべての教員に無条件で保障している再任用をも拒否したため、のべ720人の教師が22の裁判をおこしています。
歴史教育でも、「日本は侵略戦争をしたのではない」とマッカーサーが証言した、と誤導しています
 
3・11後、首都東京に次ぐ大都市大阪においても、橋下徹市長(元知事)が教育委員会と校長たちに卒入学式での国歌君が代斉唱の際に、教師が起立して、口を開けて歌っているかどうかチェックした結果を報告することを命令し、それによって子どもたちに起立斉唱を強制し、保護者の不起立も許さない雰囲気が作られ、新聞マスコミを利用したキャンペーンが行われています。
3・11後、最高裁判所では15件の『日の丸・君が代裁判』の判決が出ましたが、自由権規約18条の「良心の自由」を無視されており、日本の教育現場において「良心の自由」が踏みにじられ続けています。
 
日本では、金融の規制緩和が強行されて、金融被害が多発しています。しかし、金融関係者幹部でも国際人権規約を知りません。経済はグローバリゼーションの中で暴利をむさぼっているものの、人権は未だ鎖国状態です。金融資産が不正な投機につぎ込まれても、金融庁がこれを見逃して甚大な損失を出し、地域経済は疲弊し、この10年間毎年3万人以上が自殺しています。
 
第2次世界大戦の侵略国日本の政府が、国民の反対を抑えて戦争ができる国にするために、憲法9条を破棄するために、憲法調査会を強引に設置し強行していることは、日本の国民のみならず国際的な脅威であり、「戦争宣伝」を禁じている自由権規約20条に違反する行為です。
 
以上