反企業の抗議運動が全米各都市に拡大 ― ウォール街では3週目
2011年 10月 4日  8:55 JST
 
 ニューヨークのウォール街周辺で、9月中旬から始まった反企業の抗議運動は3週目を迎え、シカゴ、ロサンゼルスなど米国のその他の都市に広がっている。さらには米国外にも飛び火する様相をみせている。
 ウォール街では10月1日に、デモ隊がブルックリン橋の交通を妨害し、警察が数百人を逮捕した。しかし抗議運動の主催者たちは、ニューヨークのシティホール(旧市庁舎)の玄関で、警官の弾圧に抗議する行動を展開することや、マンハッタン北東部にあるサザビーのオークションハウス周辺で労組の支援を受けて集会を開催する計画を明らかにしている。
 
 抗議行動は会員制交流サイト(SNS)などを通じて米国各地に広がっており、シカゴやボストン、ロサンゼルスではかなりの規模の人々が集まった。サンフランシスコやピッツバーグなどでも小規模な抗議行動が行われたり、デモが計画されたりしている。米国以外でもプラハのほか、メルボルン、モントリオールでも抗議行動を組織する動きが出始めている。
 
 ニューヨークでは、抗議運動の主催者たちは当初ウォール街を占拠することを目指していたが、警官隊に阻止されたため近くの公園に拠点を置いて、「ウォール街を占拠せよ」と呼び掛けている。

John Minchillo/Associated Press
'Occupy Wall Street' activists dressed up as 'corporate zombies' on Monday in New York.
 
 参加者は、「銀行経営者は公的支援を受けたと思ったら、法外なボーナスを手にした」、「企業は従業員の賃上げ交渉の権利をはく奪しようとしている」など、企業へのさまざまな不満や不信を訴えている。参加者の多くは若者で、背景にあるのは失業問題のようだ。
 
 抗議運動がどの程度続くのか、その他の都市でもニューヨークのような盛り上がりをみせるのかははっきりしない。ロサンゼルスでは、1日に市庁舎前で数百人がデモを行った。サンフランシスコでも同じ日にサンフランシスコ連銀前に二十数人がテントを張った。シカゴでは、デモ隊が10日間にわたってシカゴ連銀前の路地を占拠しており、1日午後に100人超が集まって集会を開いた。