大阪府:維新の会の基本条例案に総務部が687項目質問状
 
 職員687項目の反抗
 大阪維新の会大阪府議団が提案している職員基本条例案に対し、府総務部が30日、違法性や問題点など687項目を列挙した質問状を維新に提出した。「合理的ではない誤った理由での提案」とこき下ろし、職員を5段階区分する人事評価制度については「成功している企業があるなら教えてほしい」と挑発。足元から上がった反攻ののろしに、維新代表の橋下徹府知事は「しっかり議論したらいい」と余裕だが、反発はじわりと広がっている。
【堀文彦、佐藤慶、田中博子、小林慎】
 
 維新基本条例案 
 「職員基本条例案の内容について確認を要する点」と題した質問状はA3判49ページ。各条文に対して対照表形式で意見を付けており、471項目は表現の問題点などの指摘216項目は疑問点を提示した。
 府総務部は「財政再建、府庁改革などに懸命に取り組んできた」と自負を示し「基本条例としての実質がない」と酷評。幹部職員の公募制度には「生え抜き職員が幹部に就くことで組織の継続性が保てる」と反論し、2年連続でD評価とされた職員を分限対象とすることは処分要件を定めた地方公務員法に反すると強調した
 小西禎一総務部長は「条例案には違法性や技術的な問題点があるということ。これをどう判断するかは維新の問題だ」と語った。
 
 維新の松井一郎幹事長は「指摘された事項に全て答えるように努める。議会の議論を通じて修正していく」と応じ、橋下知事も「ものすごい深い議論になってきてる」と“歓迎”の姿勢を崩さない。
 
 だが、火種はまだある。府人事委員会事務局同日、6項目の疑問点を維新に提出教育基本条例案についても府教委が反発を強めており、校長6人3日に予定されている維新との意見交換会で、府議らに「学校現場に混乱を生じさせる」と伝える方針だ。
 
 また、30日開会の大阪市議会では、過半数に満たない維新市議団が提案した職員基本条例案と教育基本条例案が審議を経ずに即日採決され、否決。平松邦夫市長が提案した職員倫理条例案が可決された。教育条例案などの採決では、異議を唱えていた維新の改発康秀市議が本会議を欠席。足並みの乱れが垣間見えてもいる。