アイスランド気象庁のハラルデュール・エイリクソン氏は23日の電話インタビューで「噴火の勢いが弱まらなければ、火山灰の噴煙は週後半に英国に達する」との見方を示した。最新予測では、噴煙は同日正午までにノルウェー北部に到達する見通しだという。
欧州航空管制局は22日午後、ウェブサイトで「現時点で欧州・大西洋路線に影響は出ていない。今後24時間に変化は見込まれていない」との見通しを明らかにした。
英国の全国航空管制サービス(NATS)広報官は同日夜、状況は「非常に変わりやすい」と説明、「われわれは状況を注視している。何の予断も持っていない」と述べた。
噴火の影響でアイスランドの主要国際空港であるケプラビーク空港がすでに閉鎖されている。同国では、2010年4月にも火山の噴火で同様の事態が起きた。アイスランド航空グループは23日、すべての欧州便を欠航にすると発表し、6000人の乗客に影響が出るとの見通しを示した。ウェブサイトで明らかにした。
エイリクソン氏によると、火山灰の噴煙は21日、高度20キロから10キロへ下がった。噴煙の監視には、気象レーダーの新システムが使われている。
10年4月14日に起きたエイヤフィヤトラヨークトル氷河での火山噴火では、6日間にわたり欧州の空域が閉鎖。10万機が地上にとどめられる状態となり、国際航空運送協会(IATA)の当時の試算で、約17億ドル(約1400億円)の損失が出た。