日本弁護士連合会(日弁連)は、原発の新増設の停止、既設の原発の段階的廃止などを含んだ「エネルギー政策の根本的な転換に向けた意見書」(下記:抜粋)をまとめ、7日付で菅直人首相、松本龍環境省、海江田万里経済産業相に提出しました。

 意見書は、原発を推進するため、電力会社と政府関係機関が一体となって原発の「絶対の安全性」を喧伝し続けてきたことが、原発の安全対策の不備、そして今回の東日本大震災による東電福島第1原発の大事故を招来した大きな原因と指摘しています。


日弁連
意見書全文(PDF形式・206kB)
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/data/110506.pdf

2011年5月6日
日本弁護士連合会

本意見書について日弁連は、2011年5月6日付けで「エネルギー政策の抜本的な転換に向けた意見書」をとりまとめ、同年5月7日付けで内閣総理大臣、環境大臣、経済産業大臣に提出いたしました。

意見書の概要当連合会は、エネルギー政策の抜本的な転換に向け、次のとおり意見を述べる。

1 持続可能性を基本原則とするエネルギー政策にすること。

2 原子力発電所については、新増設を停止し、既設のものは段階的に廃止すること。また、運転開始後30年を経過し老朽化したものや付近で巨大地震が発生することが予見されているものについては運転を停止し、それ以外のものについても、地震・津波に対する対策を直ちに点検し、安全性が確認できないものについては運転を停止すること。

3 石炭火力発電についても、新増設を停止すること。

4 再生可能エネルギーの推進を政策の中核に据えること。

5 エネルギー製造・供給事業の自由化を促進し、発電と送電を分離すること。

6 エネルギー消費を抑制するための実効的な制度を導入すること。

7 排出量取引制度等によってエネルギー供給の確実な低炭素化を図っていくこと。

8 エネルギー政策が多くの国民に開かれ、国民の積極的な参加を促すものとすること。