都教委定例会と加重処分撤回近藤裁判報告

<転送歓迎>(重複ご容赦)
・「都教委包囲首都圏ネットワーク」 
・「千葉高教組」・「新芽ML」
の渡部です。

本日(4月28日)、<「君が代」解雇をさせない会>の
早朝都庁前ビラまきがありました(5名参加)。

ビラには、
 ①「今年の入学式でも『君が代』不起立教員がいます。
   抵抗の火は消えていません。」
 ②「福島第一原発発電所の事故と『日の丸・君が代』」
について述べてありました。
 後者については次のような記述がありました。

「・・原発について学校教育では、『日の丸・君が代』と同じように、
原発の素晴らしさを羅列した教科書と電力会社の宣伝リーフレットの
ごとき副読本を使って教えてきました。」

その後、都教委定例会を傍聴しました。傍聴者は計7名。
前回同様、30階のフロアは戒厳状態。
今回一緒に傍聴した都高教組役員のTさんに聞くと
「異常だ。いつもはこんなことはない。」と言っていました。
私たちが行くとこういうことになるのかもしれません。

この定例会で、非常に驚いたのは
「平成22年進学指導診断」について報告された内容です。

これは、都立高校の進学実績を上げるために、
<進学アドバイザー>(=予備校等の外部講師)を
学校に派遣し、進学指導状況を診断した(する)というものです。

2010年度は以下の10校でした。
4つの大手予備校が担当しています。
 ①小山台 (担当:河合塾)
 ②駒 場 (担当:代々木ゼミナール)
 ③新 宿 (担当:ベネッセコーポレーション)
 ④町 田 (担当:ベネッセコーポレーション)
 ⑤国分寺 (担当:河合塾)
 ⑥三 田 (担当:駿台予備学校)
 ⑦奥多摩 (担当:代々木ゼミナール)
 ⑧北 園 (担当:駿台予備学校)
 ⑨城 東 (担当:代々木ゼミナール)
 ⑩小松川 (担当:ベネッセコーポレーション)

2011年度はさらに以下の9校が考えられています。
 ①国際、②竹早、③墨田、④武蔵野北、⑤小金井北
 ⑥桜修館中等、⑦小石川中等、⑧白鴎、⑨両国

これらの学校はいずれも「進学重点校」に続く学校ということです。

2010年度は7月から10月頃にかけて調査し、
その結果が今回発表されました。

それをみると、
 <進学実績向上のための経営戦略>
 <進学指導体制>
 <教科指導>
などについてそれぞれ「診断」され、
(成果をあげている取組)と(課題)が、
それぞれ2~3項目くらいづつ書かれています。

例えば最初の、①小山台 (担当:河合塾) の場合。

<進学実績向上のための経営戦略>の(課題)では、
 ・当初、中期展望においてターゲットとする大学の
  合格者数の目標設定がなされていなかった。
 ・個々の教員が独自の考えのみで運営している部分が多く、
  組織としての蓄積の仕組みがない。
 ・多くの教員が「生徒の資質」を信頼していない面があり、
  生徒の進路希望の意欲を引き出すことができていない。
というような具合です。

<教科指導>の(課題)のところには、
 ・個々の教員の指導内容自体には問題はないものの、
  まず入試問題を分析し、そこから逆算した指導計画を立てる
  必要がある(国語)
などとも書かれています。

要するに、成績上位の大学に多くの生徒を送り込む態勢
がどうなっているかの診断です。

まさに予備校に指導される高校教育であり、
公立高校の予備校化に他なりません。
しかも、教科は「国語」「数学」「英語」「社会」「理科」
ばかりを重視しています。

これでは、極めて視野の狭い(社会的に無知の)、
上昇志向の「優等生」を大量生産することになるだけでしょう。

ここには、教育基本法で謳われている「教育の目的」の
<人格の完成><心身ともに健康な国民の育成>
などの観点は全くみられません。

次に驚いたのは、中学校~高校における
「武道・ダンス」授業の必修化に向けた取組み、です。
武道では<柔道><剣道><相撲><なきなた>が入り、
外部講師も活用するとし、2010年度には、
モデル校(10校)の一つ台東区立駒形中学校では
「武道」に元警察官が活用されています。

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本日午後、東京地裁にて、
近藤順一さんの「君が代」加重処分撤回裁判がありました。

今回は、八王子五中のS校長(近藤さんが処分された当時の)
と近藤さん本人に対する尋問でした。

S校長への尋問で印象的だったのは、
「職務命令」を出したのは、
「校長本人の判断だったのか、それとも強制されてだったのか」
という彼の弁護士の質問に対して、「本人の判断だった」と答え、
「市教委の通達はスムーズに式を進める上でありがたいと思った。
 都教委の10・23通達は参考にさせていただきながらやった」
と述べたことです。

これは、弁護士と本人による田舎芝居のようなもので、
また「トラの威を借りた」と自ら述べているようなもので、
これを聞いて私は、「恥知らず!」と強くつぶやきました。

近藤さんへの尋問では
近藤さんは「不起立」の理由について、
S校長側の弁護士に答え、
「最初は強制に対する抵抗の気持ちが強かったが、
次第に生徒への教育を重要と考え、職務上、
不起立の姿を明確に生徒に見せ、
違う意見もあることを認識させたいと思った」
と堂々と述べました。

また、裁判長に対しては、
「現場のプロとして、危機意識をもったら、発信しなければらない。
一律起立斉唱することがまっとうな教育なのか、
異なった判断を示すことが正しいのか、憲法・基本法に基づき
判断してほしい」と述べました。

次回(結審?)は、7月11日(月)13:30~ 527号です。

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