3月22日の降雨の後、千葉県でも河川の水を水源にしている浄水場のうち、江戸川水系の睦浄水場の放射性ヨウ素が乳幼児の基準値を上回っていたことが、29日に判明しました。
 東京葛飾の浄水場では即日判明したのになぜ7日も発表が遅れたのか調査したところ、その原因と経過がわかりました。

 千葉県の北千葉広域水道企業団では自前の検査をしておらず、八千代市の下水道局職員は、葛飾での高濃度汚染水検出の報道を知り、八千代市で採取しておいた江戸川水系の睦浄水場の水を検査に出し、その結果が出るまでに1週間かかり、29日に発表したとのこと。

 八千代市の水道水は、井戸水にブレンドしている県水が東京都と一部水源が同じことから,八千代市の水道水についても,乳児の摂取基準を越えていることが想定されたため、検査結果が判明するまでの間、乳児の水道水の飲用を控えるよう市民に「お願い」と、安全な地下水を無償提供していました。

 千葉県には独自の検査機能がなく、他の独立行政法人に検査を依頼したため、検査が込み合って結果が出るまでに1週間もかかったとのこと。

 八千代市に隣接する習志野市では、当会が申し入れをおこなった24日以降も、検査機関に井戸水に35パーセントブレンドしている北千葉広域水道事業団睦浄水場の県水について、独自の調査の依頼もしておらず、市営水道の利用者にこのことについての報告や安全な水の提供などを行っていませんでした。 

 また、現在においても、北千葉広域水道事業団・八千代市・習志野市のホームページ掲載の放射性ヨウソ値の結果一覧表には、高値の22日分は掲載されていず23日からの値しか載っていません。

 当会は4月4日に、八千代市の担当者にこの点を指摘し、北千葉広域水道事業団などにも伝え、ホームページ一覧表に掲載し、危険な値が出ていた事実を県民に周知して、検査・速報体制の抜本的充実強化をはかるよう求めました。

 また、外国人に対しても、原発事故と放射能汚染の情報を国際交流協会などを通じて周知徹底し、ホームページでも英語等数か国の言語で、速やかにリアルタイムの値にアクセスできるよう要望しました。

 福島原発の放射能汚染は海にも放出され、状況は悪化しています。

 原発事故と拡散状況、天候や地下水脈への影響など、情報を速やかにキャッチして対応することが求められています。

 こどもたちを守るのは、大人の責任です。
 とりわけ、教育現場での正確な被ばく対策・避難とこどもたち自身への教育が大切です。

 千葉県の対応を抜本的強化させるとともに、当該各行政の的確な対応を誠実・機敏に行うよう、市民や教師が声を上げていくことが大切だと考えます。


▼ 【掲載 例】千葉県八千代市上下水道局のホームページ ▼

http://www.city.yachiyo.chiba.jp/siyakusyo/suidou/index.html 
(平成23年3月25日15:00)
(その2)八千代市上下水道局よりお知らせいたします。

 八千代市の水道水は東京都と一部水源が同じことから,八千代市の水道水についても,乳児の摂取基準を越えていることが想定されますので,検査結果が判明するまでの間,乳児の水道水の飲用を控えるようお願いいたします。

給水方法に関しまして以下の通りお願いいたします。
○給水については容器を必ずご持参下さい。(市備蓄の給水袋が少なくなっています。)
○お一人12ℓまでとします。
○土,日曜日は上下水道局のみで給水します。
○上下水道局の給水は,午後10時から午前8時30分まで当直のみになりますので,なるべく午後10時までにおいで下さい。
○市役所での給水は本日(3/25)午後5時15分までとし,明日(3/26)からは閉鎖します。

お知らせ
① 八千代市の水の検査は3月22日午後8時に日本分析センター(千葉市稲毛区)に検査依頼いたしました。急いで頂いているのですが,依頼が多く結果は近日中になるとのことです,数値が判明次第,対応と併せてお知らせいたします。
②検査結果が出るまで八千代市の井戸水を上下水道局でお配りいたします。 
③念のため乳児の飲用に限っては市で用意する井戸水(上記②)か市販のペットボトルをご使用ください。乳児以外の方は問題ないとされております。
尚,放射能汚染の詳しい情報につきましては放射線医学総合研究所までお問い合わせください。TEL090-5582-3521
  ・
  ・
 (その5)
八千代市上下水道局よりお知らせいたします。(平成23年3月27日10:00)

八千代市が水道水の一部を受水している北千葉広域水道企業団が行った放射性物質の分析結果の報告が昨日3月26日午後9時にありました。その結果は厚生労働省が示した乳児による水道水の摂取を控える指標である100ベクレル/㎏を下回るものでしたので,北千葉広域水道企業団は摂取制限を解除しました。
1.分析結果
 採水日:平成23年3月25日午前8時
 浄水(浄水場出口) 放射性ヨウ素131 計測値33±4.1ベクレル/㎏
              放射性セシウム 不検出
2.今後の見通し
 北千葉水道企業団から八千代市の受水施設を経由して各家庭まで送られるのに要する時間は3日間かかりますので,八千代市上下水道局としましては28日の午前8時をもって,乳児の飲食物摂取制限を解除いたします。
*それまでの間は上下水道局での臨時給水を行いますが,給水については必ず容器をご持参下さいますようお願いいたします。
なお,測定値等につきましては北千葉広域水道企業団のホームページをご覧ください。
北千葉広域水道企業団のホームページはこちら
八千代市上下水道局が実施した放射能測定分析結果報告
________________________________________
                                           (平成23年3月29日16:00)
○検査依頼機関 財団法人 日本分析センター(千葉市稲毛区山王町)
○採水日時    平成23年3月22日(火)午後7時25分
○検査結果    平成23年3月27日(日)
○分析結果
睦浄水場より各浄水場に送られる浄水については120ベクレル/㎏でした。
                               単位:ベクレル/kg
     放射性ヨウ素   放射性セシウム
八千代台浄水場    16     不検出
勝田台浄水場  不検出
米本浄水場       不検出
高津浄水場         9.8
村上給水場        18
睦浄水場        120
萱田浄水場        17

※ 地下水はすべて放射性物質が不検出でした。

○参考として,北千葉広域水道企業団から3月22日に受水した水についても検査を行いましたが,数値結果は飲食物摂取制限に関する指標300ベクレル/kgを超える370ベクレル/kgでした。
当日の睦浄水場の配水池は,ほぼ満水状態(容量約12,000㎥)にありましたので、この配水池にあった大量の水と受水の水が混合され,睦浄水場から送り出された水が120ベクレル/kgとなったものと判断されます。この結果については,直ちに北千葉広域水道企業団に通知しました。詳細については,北千葉広域水道企業団のホームページをご覧ください。
                       ※北千葉広域水道企業団のホームページはこちら

3月22日採水分                       単位:ベクレル/kg
  放射性ヨウ素   放射性セシウム
北千葉広域水道企業団よりの受水 370 不検出


(平成23年3月31日)八千代の水が足りません。2割の節水のご協力をお願いいたします                
 福島原発事故の影響で八千代市が受水(水道水の約4割)をしている北千葉広域水道企業団の表流水が,取水地点の降雨によって放射能濃度が上がる危険性が生じたため,取水を停止し八千代市を含む構成各市への送水をストップしました。

 八千代市では一時的な措置として安全な地下水のみの運用に切り替えますが,地下水(水道水の約6割)だけでは,市域全体をこれまで通り給水するには水量が大幅に不足します。この水不足による断水を回避するために,市民の皆様には約2割の節水をお願いします。大変ご不便をおかけいたしますが,よろしくご協力をお願いいたします。

○今後の見通し
 八千代市では,北千葉広域水道企業団が行う放射能測定結果が判明し(予定では4月2日の夕方)安全が確認された後に,北千葉広域水道企業団からの受水を再開いたします。しかしながら極端な水不足が生じた場合は受水の再開を考慮します。

○予想される状況
• 水圧を若干下げますので場所によっては水が出にくくなります。
• 場合によっては赤水が発生します。    赤水が出た場合にはこちら

○節水の目安
•上下水道局では約2割の節水をお願いしますが,目安としては1家庭約200ℓでお風呂1杯分に相当します。
•トイレの水や洗濯の水については,お風呂の残り水などをご利用いただければ大きな節水となります。
•蛇口は全開にせず,こまめに開け閉めすれば節水となります。

※参考 北千葉広域水道企業団ホームページはこちら