2011/03/26(土)
今から46年前、狛江の電力中央研究所に間借りしていた東電の実験所で働いていた。
正社員4名とあとはアルバイトであった。
正社員のうちボスは東大、次席は九大、残り2名は高卒。
この高卒2名は、東電でも準社員を馬鹿にしていた。
準社員は一生準社員らしい。
仕事は奈川渡ダムの200分の1の模型を石膏で作り、その破壊実験であった。
山も岩盤も作った。
ダムがどういう圧力を加えられたら崩壊するかという実験である。
圧力は水銀の袋でかける。
何度も何度も繰り返しその詳細なデーターを読み取っていく。
来る日も来る日もその繰り返し。
鉄板の接着剤を削ぎ取る仕事は参った。
目に欠片が飛び込んでくる。
社員はいい人たちであった。
実験も大詰め、本社から視察が入るという。
びっくりしたのはその直前のこと。
こっちが一所懸命読み取った数字の"都合の悪い部分"がみんな書き換えられた。
奈川渡ダムは今も健在のようだ。
決壊したら大変だ。
『藤田の日記』
http://ip.tosp.co.jp/Niki/TosNk100.asp?I=fujita63&Dt=20110326&SPA=20&guid=ON&Pw=