★ 立川、葛飾に続く「言論表現の自由」圧殺を許すな! ★
  最高裁は「表現そのものを処罰すること」の憲法適合性を判断せよ!
  ■□■ 1月28日(金)第8回最高裁要請行動を行いました ■□■

 ◎ 板橋高校卒業式事件・顛末記<31>


「イスカ」 《撮影:佐久間市太郎(北海道白糠定、札幌南定、数学科教員)》

 最高裁は堀に面した国立劇場の隣にある。
 要塞であり牙城である。
 民衆の襲撃に耐える設計との噂があるがまさにその通りである。
 窓は小さく銃眼となっていて、内部は天井低く迷路となっている。
 一体幾らかかって建築したのであろうか。
 東京に原爆が投下されても最高裁だけはその威容にいささかの損傷もない。
 国破れて、最高裁ありである。

 ドイツの裁判官を描いた映画があったが、天と地ほどの違いである。
 彼らは普通の市民であり、市民として振る舞い、市民と同等に接する。
 日本の最高裁裁判官はベールの中である。 御簾の内である。 貴族であり殿様であり位人臣を極めた方である。
 無答責のお方であり未だ謝ったことがない。


 足利事件で警察と検察はかすかに頭を下げたが、最高裁裁判官は霧の彼方にいて誰も未だ出て来ない。
 15年戦争において日本の各界の人びとは大なり小なり傷ついたが、裁判官は誰も傷つかなかった。
 治安維持法下で数多の人びとを殺傷したり病死させたり狂わせたりしたが、そのすべてを肯い裁判官は既定のレールの上を出世していった。

 法廷は家来の「これより裁判をはじめます」の詔を経て、扉が無音で観音開きしてそこに登場してくる。
 高きも高き玉座に臨席されて、開式を宣言する。

 立川の判決で、裁判長は、「邸宅侵入罪である」とだけ宣言して秘めやかに去って行った。
 あの日以来、松があろうとなかろうと、黒塀があろうがなかろうとどんな陋屋も邸宅となった。
 アパートもマンションも集合住宅の団地も、その敷地内はすべて「邸宅」となったのである。
 気をつけなさい、日本国民よ! いまあなたの立っている地面は誰かの所有物でないのか?
 しからば、あなたは邸宅侵入の罪に該当すると。
 郵便受けに何かを投函する諸君、敷地外からは手の届かないところにポストがあったらうまく投げ入れよ、
 しからずば、立川と同じ75日間の留置場監禁となるぞ!
 こんな馬鹿げた話があるだろうか?

 私もかって幸手団地に住んでいたが、私は邸宅に住んでいたのだ!
 あれの敷地内すべてが邸宅の一部だとは夢にも考えられない。
 雑多な人びとが行き交い、誰が住民だか訪問者だか町の人であるかまったく分らないし又見定めようとも思わない。

 最高裁裁判官とは宇宙人なのであるか!
 私は、傍聴席の深々とした大きな椅子に座って呆然と裁判官を見つめていた。
 私の前には屈強な何人もの監視員が、貴き裁判長に失礼にも尻を向けて立っており、傍聴人を睥睨していた。
 馬鹿馬鹿しさの水準で評価したら、この裁判の表裏は世の中において特筆特選される出来ごとに違いなかった。
 その意味では実に面白かったが、宇宙人に有罪にされる人びとにとっては何とも言いようのない憤懣に満たされるであろう。

※ 顛末記の過去ログ「一覧表」は、
http://wind.ap.teacup.com/people/4893.html

≪パワー・トゥ・ザ・ピープル!!
 今、教育が民主主義が危ない!!
 東京都の「藤田先生を応援する会有志」による、民主主義を守るためのHP≫