◇ 再雇用拒否撤回2次訴訟 2月21日(月)15:00~東京地裁103号法廷

 ★ 私たちの裁判の報告

「再雇用拒否撤回第二次原告団」 村山健一郎

 昨年(2010年)12月13日,私たち再雇用拒否撤回第2次原告団(以下,第2次原告団)の口頭弁論が東京地裁で行われました。2009年9月29日の提訴以来,5回目の口頭弁論でした。12月13日は,小雨降る寒い日でしたが,ありがたいことに傍聴席はほぼ満席でした。この日に限らず,毎回多くの人が傍聴に来て下さり感謝にたえません。

 私たち第2次原告団は25名の原告と1名の賛同者から構成されています。計26名のいずれも2007年(8人),08年(11人),09年(7人)に退職した都立高校の教員であり,卒業式等の式典で都教委の「10.23通達」に基づく職務命令に従わずに,君が代斉唱時に起立しなかったために*退職後の再雇用に不合格になったり合格を取り消された教員です。また私たち以前に,2004~06年の退職時に私たち同様に採用拒否または合格取り消しされた都立高校の教員が,すでに採用拒否撤回を求める訴訟を起こしているので,私たちは第2次原告団と称しています。


 私たちの訴訟は田中重仁弁護士を初めとする計12人の献身的な弁護団によって進められています。そして弁護団との話し合いにより,通常の訴訟で行われているような書類のやりとりで訴訟を進めるのではなく,私たちの主張を私たち自身の声で法廷に響かせようということになり,弁護団がそれを民事第36部の渡辺弘裁判長に認めさせました。その結果,私たちは法廷での意見陳述という形で私たちの考えを主張することになりました。ところが,始めて見ると都教委は意見陳述は必要ないと言い出したため,第3回の口頭弁論からは意見陳述ではなく法的根拠のある準備書面を読み上げるという形になりました。これまで5回の口頭弁論で計14人の原告が意見陳述または準備書面の読み上げを行ってきました。基本的には原告25人全員が法廷で自らの声で自らの主張を述べることになっています。

 裁判の行方で気になることはいくつもあるのですがその一つは裁判長です。通常,地裁では3人の裁判官の合議で裁判が行われます。しかし私たちの裁判では裁判長一人しかいません。しかし,裁判長が一人ということそれ自体が懸念材料ということではありません。実は,渡辺裁判長その人が懸念材料なのです。
 というのは,裁判長は私たち原告の意見陳述または準備書面の読み上げの最中,ずっと落ち着きなく身体を動かしながら,手元にある厚さ約10㌢近くの書類のページをあちこちくくっているのです。あちらのページを開けたと思ったら数秒でこちらのページを開け,さらに数秒でまた別なページを開けるといった具合です。これが原告の3人の陳述または書面の読み上げ中の計30分の間ずっと繰り返しているのです。しかも身体を動かしながら。従って*非常に落ち着きない裁判長に見えます。
 せっかく陳述書や準備書面を読み上げているのに,裁判長が聞いているようには全然写らないのです。このため,第2回の口頭弁論では傍聴席から裁判長に書類をくくるのを止めて陳述を聞くように声が上がりました。通常の訴訟ではあまり考えられないことです。しかし裁判長はまた落ち着きなくページをくくります。そのため,傍聴席から裁判長へ陳述を聞くように求める声がだんだんと増え,また大きくなり,その結果,いっときは法廷としてはありえないほど多数の声が裁判長に向けて傍聴席から飛び交うようになりました。
 ただ,この渡辺裁判長,一方で評価できるところもあります。それは法廷の傍聴人に対して厳しい態度を取らないことです。それは,傍聴席から裁判長に対する声など上げれば,普通は裁判長からは静粛にするよう注意が出ます。また,陳述や書面読み上げが終わったときに,傍聴人はつい拍手してしまうことが多いのですが,この裁判長は,そうした拍手を禁止しないのです。他の裁判長は拍手を規制し,拍手しないように命じます。それが裁判所のルールでもあります。
 裁判長の法廷での態度は判決に必ずしも関係しないかもしれません。私たちの陳述を聞いているようには思えないほど落ち着きのない裁判長は,一方で私たちを支持する傍聴人に寛容で厳しい姿勢を取りません。この裁判長をどう評価して良いのか悩むところです。

 まだまだ裁判は続きます。第6回の口頭弁論は2月21日に予定されています。弁護団は第5回口頭弁論からは,原告が準備書面の読み上げを続ける一方,弁護団としては憲法論を展開し憲法判断をせざるを得ない方向に進めるということです。私たちは,他の関連訴訟と同様,私たちの主張が憲法上の権利に基づいたものであり,しゃにむに右傾化・保守化を推進するための都教委の「10.23通達」こそ,違憲・違法であるとの判決を勝ち取るよう頑張って行きたいと考えています。
 そのためにも,今後も傍聴席を満席,あるいは傍聴席に入れないほど多数の方々が傍聴に来て下さるようお願いいたします。

『藤田先生を応援する会通信』第45号(2011/1/14)

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