■ 指が動かなくても痴漢という不思議

 2008.1.17 東京高裁 「控訴棄却」
 西武池袋線石神井公園駅、(痴漢冤罪)小林事件(05.3.18)

 『裁判では目撃証言と小林さん(当時62歳)の着ていた上着の種類、色も違い、背の高さも違う。
 また小林さんは膠原病という病気を患っており、、指の関節が曲げられない、
 また併発していた狭窄性腱鞘炎のため曲げ伸ばしは著しく困難な状況であったと主張するも一審では1年10ヶ月の有罪判決だった。
 このときの白坂裕之裁判長は検察から裁判所との交流のために裁判官になり、この判決の4ヶ月後検察庁に戻り再び検察官になっている。

 判決後 法廷は騒然となりました。
 「裁判長 質問です!」 口火を切ったのは息子さんでした。
 「なんで犯人が特定できないのに、犯人なんですか」
 「退廷しなさい」
 「カルテにはずーと膠原病って7年前からなっているじゃないですか」という奥さんの声。
 「不当判決!」という抗議の声々。
 「退廷しなさい」
 「もう閉廷しているんだから何言ってもいいはずだ」という抗議。
 「退廷は強制ですか?」
 「任意で退廷してください」と係官。


 「もう命のない人間をどうするんですか」という奥さんに対して「退廷させなさい」という裁判長
 「ちゃんと調べていただけたらよかったと思いますよ」という奥さんに対して「帰ってください」という係官。
 「あなたがこの人を犯人と特定したんですよね」
 「最初の段階からずさんなんですよ」
 「顔を確認してないのに犯人になるんですか」
 「退廷してください」
 「主人が死んでしまいます。これは人権問題です」と抗議する奥さんを係官がつかみます。
 「私をどうしてそういう風に掴むんですか、私を掴まないでください」
 「次の法廷もありますので」という係官
 裁判官は「退廷させなさい、退廷させなさい」と繰り返します。

 座ってメモを取っている僕に対しても
 「座っている方も退廷しなさい」と命令します。
 奥さんはなおも「最初から見てください、最初の捜査から見てください。主人の命がなくなったら私はどうしたらいいんですか」と抗議します。
 「主人が捕まるより私がつかまったほうがいいです。私が代わりに入ります」
 「孫が生まれてその1週間後にそんなことするわけないじゃないですか」
 「目も痛いんです、耳も痛いんです」
 「退廷してください、退廷してください」
 「人権の問題です」
 「お父さんと代わるわよ、私は!」
 「もう一度調べてください、捜査のはじめから」
 「あなた達は命のことを考えないのですか!」
 「静かにしてください」

 被告の小林さんはジッと顔を手で覆ったまま動きもしませんでした。
 法廷の外で何か声をかけようと思ったのですが、出てきた小林さんは目が真っ赤で、とても声をかけられるようんな状況ではありませんでした。

 上告するそうですが、最高裁でひっくり返る可能性はかなり低いと思います。
 ひっくり返らなければ懲役1年10ヶ月の刑が確定します。
 この判決を書いたのは阿部文洋という裁判長です。またしても、忘れてはいけない裁判官の名前が増えてしまいました。
 とは言うもののここまで来ていると個人の資質の問題というより、組織としてそういう機関だということですね。
 もちろん痴漢は許せない犯罪です。被害者の方は人にわからない苦しみを抱えていると思います。
 が、しかし、この裁判をずっと傍聴してきた僕からすると、この判断はどうなのだろう?と思います。
 そして被告の方の心中を察すると本当に胸が痛みます。

 その後、小林卓之氏 脳梗塞 右半身感覚障害
     妻 好枝さん 難病 サルコイジードス罹患

 2010.7 最高裁第一小法廷 上告棄却
 2010.10.19 収監 現在、静岡刑務所

※小林さんの最新の情報はこちらです。(2010年11月11日)
http://blog.iwajilow.com/?eid=1068113

※11月15日現在の小林さんの最新の状況はこちらです
http://blog.iwajilow.com/?eid=1068494

※小林さんを支援するブログが立ちあがりました。
「小林さんの命を守るネットユーザーの会」です。(2010年11月30日)
http://plaza.rakuten.co.jp/kobayashiinochi/

 『つぶやきいわぢろう』
http://blog.iwajilow.com/?eid=729166


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