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  ★ 立川、葛飾に続く「言論表現の自由」圧殺を許すな! ★
  最高裁は「表現そのものを処罰すること」の憲法適合性を判断せよ!
  ■□■ 第8回最高裁要請行動1月28日(金)10:15最高裁東門集合 ■□■

 ◎ 「ヒロシマ・ナガサキ、私たちは忘れない」

藤田勝久



「エゾフクロウ」 《撮影:佐久間市太郎(北海道白糠定、札幌南定、数学科教員)》

 原爆被爆者 284人の証言と、ビデオ版「被爆を語る」、104人に聞く、がネットで公開されている。
 「被爆者の声」で検索!

 昨年暮れからずっともう10日ほど聞き続けて2011年を迎えた。
 証言を映像で見て、あらためて衝撃を受けた。
 恐ろしい、生き地獄である。
 その年、8月、日本に生存していた者にとっては、業火を浴びた人々は、我々の身代りになってくれたのだと思うしかない。


 私は4歳、広島の対岸、松山にいた。
 父は、ルソンの山中にいた。
 父の部隊の空軍司令官、中将・富永恭次は幕僚と芸者とウイスキーを載せて台北に空路逃亡して温泉に入り浸り、のち満州の敦化に飛ばされていた。
 彼の命令のもと特攻兵は400機、すでに散華していた。

 東京湾に落とせば戦争終結に至ったのではないか。
 小倉であったり、新潟であったり京都であったのかも・・・。
 ポツダム宣言を日本政府が即時受諾していれば・・・。
 飛び出した目を手で支えながら人は何を思って歩いていたのであろうか。
 傷つきさ迷う人々の群れに何故に機銃掃射までするのか。
 核兵器とは灼熱の鉄板の上に人々を放り込む行為ではないか。
 事前に投下の情報を得ていた日本人がいるのではないか。
 核開発で莫大な利益を上げた連中は誰なのか。
 戦争とは・・・核による恫喝とは・・・と、様々な思いがよぎる。

 あまりの悲惨、惨たらしさの結果としてここ60余年徴兵がなかった。
 ふと街を見ると、何千人もが日の丸を掲げて行進し出した。
 世界有数の国家のナショナリズムとは有害以外のなにものでもない。

 当時12歳、旧制私立修道中学1年生、武田靖彦氏が2006年ビデオの中で語っている。

 8月6日の朝・・・青白い大空、雲一点もなかったですね・・・
 矢野の駅・・・ピカー!
 目を射るような閃光が走って、それから間髪入れず、今度は大地を叩きつけるというか、建物がグラっと揺らぐような感じでダッーというような、物凄い炸裂音が響いたんです。
 熱が伝わってくる方向に目が本能的に行ったら、そうすると私の目にはオレンジ色のような、小さな粒子の網みたいな状態で、あれが電波がきたのかどうか知りませんが、ズンズンと暖かいものが、私に向かってくるんですよ。
 その先端の、キラキラ光る米粒ぐらいの小さな物体が目に止ったんです、広島の上空に。
 何だろうと思って一瞬見つめた。
 そうしたら何となく黄色味を帯びて、赤みを帯びてそれがみるみる急速に、フワーと真っ赤な巨大な火の玉にどんどん膨張しだす、大きくなりながらですね。
 私の方に覆いかぶさるように、ずっと・・・。
 本当に見たことも、聞いたこともないわけですから恐ろしいのに息が詰まる思いで、それを見つめながら、こう、何となく、のけぞるようにですね、私は下から見上げているんです。
 恐ろしくてね。---
 地上から物凄い、凄まじい勢いで火柱がその真っ赤な巨大な火の玉にですね、まるで足が付いたかのようにフアーと、もくもくと・・・・
 火柱が立ち上る。
 それがどんどんどんどんとですね、もくもくと生きた怪獣のようにですね、グワーとこうなる光景がすごいんですよ。
 どんどん高く昇っていく。---

 川下の方から沢山の人がこっちに向かってくるんですね。
 近づいてみると、何とまあ幽霊のような格好で、こうゆうね・・・・。

 広島で重傷を負った姉が8月9日、正午前、「お母さん、助けて、助けて」と声を振り絞りながら哀願するように言うんですが、母は何もできなかった。
 正午を前に、16歳6カ月の短い生涯でこの世を去って行った。「何のために生れてきたのか、何のために生れてきたのか」
 友だちが8月15日に爆音を聞いて、「靖彦さん、B29が憎い」この言葉を残して逝っちゃった。
 戦後の10月にアメリカ軍が進駐してきた。・・・
「この野郎、殺してやろうか」と、何度思ったか分りません」 でも、殺すことはできませんでした。
 戦後私は、姉の仇を取りたい、幼友達の仇を取りたい。・・・
 夢も希望も無しに戦後50年間を、生きてきました。・・・

 武田氏は今は恨みは捨てたという。
 彼の表情、心の底から汲みだされてくる言葉のひとつひとつが、惰弱な人生を過ごしてきた私に突き刺さってくる。

2011、1、6

『藤田先生を応援する会通信』第45号(2011/1/14)から

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