国家公務員法違反(政治的行為の制限)に問われ、東京高裁で逆転無罪を勝ち取った元社会保険事務所職員、堀越明男さん(56)について、東京高検は7日、同種事件の処罰を1974年に合憲とした「猿払事件」の最高裁判例に違反するとして、最高裁に上告しました。
 日本政府は当時、国際人権規約は未批准でした。(1978年に批准)

 東京高裁は3月29日の判決で「被告の機関紙配布行為を罰することは、表現の自由を保障した憲法に違反する」として、無罪を言い渡していました。

 上告について、弁護団事務局長の加藤健次弁護士は、「高裁が明確に憲法違反と認定したのに、検察は反省が足りない。最高裁では、猿払事件判例の変更と、国公法自体が憲法違反とする判断を勝ち取りたい」と話しています。


 言論・表現の自由を守る会は4月2日に、最高検察庁 検事総長および東京高等検察庁 検事長に対して、「裁かれるべきは公安警察であり、検察は不当・違法な捜査・起訴を反省し、国連の勧告と東京高裁中山判決を受け入れて、誤りを認め謝罪するよう要請しています。

 また、5日には、日弁連会長も談話を発表(当会ブログに掲載)しており、板橋高校卒業式『君が代』刑事弾圧事件の藤田先生を応援する会も、最高検・東京高検に対して次のように要請しています。「表現の自由」は国際社会で確立した普遍的人権です。国連勧告及び東京高裁判決を受け入れ上告を断念し、違法な捜査・起訴を行った公安警察・検察は誤りを認めて謝罪するよう要請します。」

 公安警察と検察の仕組んだ弾圧事件に対して、既に東京高裁において、国家公務員のビラ配布行為は憲法違反ではないという判決が出されました。
 検察は新たな重大な証拠があるどころか、重大な違法捜査ビデオを証拠採用もさせないまま上告するなどという暴挙は不当・不法極まりないものであり誤りをさらに上積みするものです。

 検察による重大な人権侵害と更なる税金の無駄使いを許さず、最高裁大法廷の審理によって、国公法こそ憲法と国際人権規約違反の悪法で撤回すべき法律であることを明らかにさせましょう。
 政府に批判的なビラ配布の自由は憲法と国際人権規約に保障されている普遍的な基本的人権です。
 
 堀越事件はもちろんのこと、5月13日に高裁判決を迎える世田谷国公法弾圧事件の宇治橋眞一さんと、板橋高校君が代弾圧事件の藤田勝久さんを支援している全国の皆さんと連帯し運動を広げ、必ず全員無罪を勝ち取って日本の草の根民主主義を実現しましょう。