千葉景子新法務大臣の発言を歓迎する  

      声 明

 ―個人通報制度の一日も早い批准を―

 昨9月16日深夜、鳩山内閣新閣僚の就任会見が行われた。そのなかで、千葉景子新法務大臣がマニフェストを実践するとして、「1、国内人権侵害救済機関を設置する。2、人権条約の個人通報制度を批准する。3、取調べの可視化を実現する。」との見解を表明した。

 国際人権活動日本委員会は、16年前の結成以来、個人通報制度(自由権規約―B規約―第一選択議定書)の批准を求める団体署名に取り組み、20000筆を越える署名を外務大臣、法務大臣に提出してきた。
 個人通報制度は別表のごとく、自由権規約、女性差別撤廃条約のように選択議定書を批准し成立するものと、拷問禁止条約のように条文を受諾し、成立するものとがあるが、日本政府はいずれも批准していない。

 1979年に自由権・社会権規約を批准したときに、衆・参外務委員会で全会一致で「選択議定書の締結については、その運用状況を見守り、積極的に検討する」と決議された。しかし、それ以来30年間、国連の人権機関の度重なる勧告、国内の人権活動NGOの強い要望を無視し、日本の歴代政権は個人通報制度を批准してこなかった。


 国連加盟国192ヶ国中、自由権規約を批准している国は164ヶ国で、そのうち第一選択議定書を批准しているのは112ヶ国、女性差別撤廃条約は186ヶ国が批准し、そのうち選択議定書は97ヶ国が批准している。

 千葉新法務大臣は「人権が尊重され、安心して暮すことができるように外務大臣と相談し、国際的基準にもとづいて選択議定書を批准し積極的な姿勢を発信したい」とも述べている。
 国際水準にくらべ遅れた日本の人権を引き上げるために微力ながらたたかってきたNGOとして、これらの発言を歓迎する。昨年国連で採択された社会権規約の選択議定書を含め、すべての個人通報制度の実現のために今後も奮闘されるよう強く要望する。
 個人通報制度の批准を実現するためには多くの乗り越えなければならない課題がある。それらの困難を克服するために私たちは今後も全力を尽くすことを表明する。

2009年9月17日 
国際人権活動日本委員会 
議長 鈴木 亜英
住所 東京都豊島区南大塚2-33-10 東京労働会館1階
電話 03-3943-2420 FAX 03-3943-2431

『国際人権活動日本委員会』
http://jwchr.s59.xrea.com/x/shiryou/090917seimeichiba.pdf