臍帯血をつかった脳性まひの治療は、まだ治験の段階ですが興味のある方も多いかと思います。
一般人がネットでたどりつける範囲の情報ですが、せっかく調べたのでまとめてみました。
私が集中的に調べていたのは半年前になりますので最新情報はとりこぼしているかもしれませんし、医療に詳しいわけではないので表現が不正確かもしれませんので、その点はご容赦ください🙏
あくまで参考程度にみていただけたら幸いです〜
この投稿は、自分のためのリンク集でもあり備忘録も兼ねてます(笑
我が家がDuke大の治験に参加したわけではないです。
Duke大のJoanne Kurtzberg博士
アメリカのDuke大のJoanne Kurtzberg博士は臍帯血を使った小児医療のパイオニアで、現在の脳性麻痺と自閉症の研究のリーダー的な存在だと思います。インタビューや記事など露出が多いので、情報が見つけやすいです。
他にも臍帯血治験を行っているところはありますが、まずはリーダー的なDuke大の情報を見るのが参考になると思いますし、臍帯血治験の現状も分かりやすいかと思います。
彼女の研究について調べていくと脳性まひと自閉症の治験をセットで語ることが多かったり、特にYoutubeに上がっているインタビューなどは、自閉症に関するものが多いので自然と自閉症の情報も入ってきます。
Youtubeを観るときは「CC」という字幕機能をオンにすると便利です。自動生成なので決して完璧ではないですが。。。
英語の情報を見るときは、ウェブページをまるごと訳すならGoogle翻訳が便利ですし、ちょっと丁寧に意味を確認したいときは精度の高い翻訳ツールDeep Lがおすすめです。
Duke大の本人以外の臍帯血を使った治験
1. 兄弟の臍帯血をつかった治験
対象 1歳〜6歳の脳性麻痺児
兄弟の臍帯血を静脈内に投与し、安全性や効果を評価。
15名全員が兄弟の臍帯血をつかって治験をうけ、そのうちHLA遺伝子型が適合するグループ(HLAが4/6以上合致)と、HLA不適合グループ(HLAが3/6以下)の2つがありました。
治験の情報 NCT02599207
結果に関するニュースをみつけました。
2. ドナー臍帯血とMSCの治験
対象 1歳〜5歳の脳性麻痺児(てんかんや遺伝性疾患などいくつか対象外の基準あり)
子供たちをいくつかのグループに分けて、ドナーの臍帯血(HLA4/6以上適合)とhCT-MSC(ヒト帯組織由来間葉系幹細胞)
を半年おきの違うタイミングで静脈内へ投与し、効果を比較。91名が参加。
治験の情報 NCT03473301 (Study Protocol and Statistical Analysis Plan)
治験の結果としてDuke大が発表した記事。臍帯血が脳性まひ児の運動発達に効果があるという内容。
下のリンクはKurtzberg博士が治験の結果と今後の展望を詳細に語っているプレゼン動画
5:43のチャプターが、脳性まひの治験結果です。
11:00あたり、効果が分かるように男の子が歩く映像が出てきます。
安全性と効果について
上にリンクをはったYoutubeの内容から私が理解したことを書いてみます。
本人かドナーかに関わらず、臍帯血に含まれる細胞の数が効果に大きく影響し、多いほど効果が高いそうです。
Duke大の研究では最少の細胞数が1キロあたり25 million cells/kgで、それでも効果はありましたが、細胞数 100million cells/kgのほうがより大きな効果があり、その量の細胞数を得るにはドナーの臍帯血の方が適しているとのこと。
臍帯血の細胞数を子どもの体重で割った数が、キロあたりの細胞数になるので、子どもの体重が小さいほどキロあたりの細胞数が大きくなるので効果が出やすいと私は理解しました。ぜんぜん違ったらすみません💦
臍帯血に含まれる幹細胞が、脳のダメージを補うような働きをして、神経のつながりを増やしてくれるそうです。
脳性麻痺児は、全体的に運動面の改善と、一部は知的な面での改善もあったとのこと。
また、Duke大の治験の計画ドキュメント Study Protocol and Statistical Analysis Plan(上にリンクあり)には、過去のデータや他の治験の結果を総合して、基本的に小さな子どもへの臍帯血の静脈注入は大きな副作用はなく安全で、運動発達の改善に効果あり、という説明があります。
ところでHLAってなに?って思いますよね。ヒト白血球抗原というものだそうです。←辞書ひいた。
Duke大の治験では、ドナー臍帯血を使う場合はHLA遺伝子型が4/6以上適合するものを使ったそうです。
兄弟の臍帯血を使った治験では3/6以下の適合も認めているので、どこまでHLAの適合を重視しているのかは私には分かりません。
治験では脳性麻痺児に対してMSCは臍帯血ほどの効果はみられませんでしたが、Duke大学は臍帯血由来のMSCの活用を目指して次の治験を行っていくようです。
より手軽に脳性まひを改善できる治療が実現できれば、それは素晴らしいことだと思いますし、再生医療は様々な分野で手が届くものになってほしいです。Duke大では、大人の脳卒中なども臍帯血治療の研究があるようです。
また、Duke大学と提携した臍帯血治療のクリニックCryo-Cellが今年アメリカでオープンするようです。
そちらは本人または兄弟の臍帯血を保管している方を対象としたExpanded Access Protocol(Dukeの治験の拡張)という枠組みでの治療に対応しているようです。臍帯血投与の費用は15,000ドルと発表されているので、日本円で約150万円くらいになります。ドナーの臍帯血治療は提供していないようです。
日本のこと
日本では、高知大学で自家臍帯血(本人)または兄弟の臍帯血をつかった脳性まひの治験があり1歳〜7歳未満が対象のようです。効果に関する公式なレポートは見つけられませんでしたが、ニュース記事は見つけました。
ちなみに、Kurtzberg博士が会長をつとめるCord Blood Association(さい帯血協会)という団体には、日本の臍帯血バンクのステムセル研究所も加盟しているようです。
ステムセル研究所のニュース一覧には、臍帯血関連の情報がありますのでご興味のある方は時々チェックするのをおすすめします。
以上、参考になれば幸いです。
私は専門家ではないので、不明なことがありましたら、ご自身で調べるか情報元に問い合わせるのが一番かと思います^^



