搬送先のＴ病院での検査の結果、全身打撲と低体温症との診断。

看護師　「体力が回復するまでしばらく安静が必要です。」

そう言われて、その日はそのままＴ病院に泊まることに。

私　「大丈夫か？どこか痛いところはない？」

カミさん　「うん。肩が痛いけど他は大丈夫。」

私　「転んだときぶつけたの？」

カミさん　「ううん。前から四十肩で痛いところ。」

見た目はともかく、命に別状はない様子で一安心。

ところで、カミさんは何処に行こうとしていたのだろう。

私　「ところでなんで△△自動車販売のところまで行ったの？」

カミさん　「それが私にもわからないのよ」

　　　　　　「夕方靴を買いに大型ショッピングモールＩに買い物に行ったのだけれども、帰りにいくら自転車を漕いでも漕いでも、家に着かないから、おかしいなー。　と思っていたら、町境の看板が出てきて、あれ？なんでこんなところに居るんだろう？と思って、引き返してたら途中で転んで動けなくなったみたい。」

　大型ショッピングモールＩといえば家から北東に３～４㎞離れたところで、発見された場所とはほぼ反対方向。

　また、大型ショッピングモールＩは県道沿いにあり、道順は家を出て２回曲がって県道に出てしまえば、あとはまっすぐで普通は迷いようがない。

私　「それで買ってきたのが、この夏物のメッシュのこの靴？」

カミさん　「狙ってた靴が売り切れてて、店員さんがこれがいいって。」

私　「でもこれ夏物だよ。」

カミさん　「今の季節でもおかしくないって。」

きっとバカにされて夏物の売れ残りの靴を売りつけられたのだろう。

この靴で自転車に乗ったらさぞ寒かっただろうに。

そう思ったらなんだか目頭が熱くなってきた。

カミさん　「それよりも買い物かごの中身。豆腐も牛乳パックもお惣菜もぐちゃぐちゃだったでしょ。ごめんね、ごめんね。」

しきりに謝るカミさんに

・・・いや、謝るならそこじゃないでしょ。と思いつつ、

私　「そうか、今度は一緒に買いに行こう。」

そんな話をしているうちにその日は私もカミさんも一睡もしないで朝を迎えた。

当然、前日の晩から薬は０（ゼロ）。

Ｔ病院にて その２