そしていつもの頭痛。

一日の始まりは、たいていこうだ。
通りからは、三人でニワトリ100羽くらいのけたたましさの、女たちの声。
「こないだ行ったランチの店の電話番号がこないだランチに行った時にもらってきたこないだ行ったランチの店のショップカードの裏にきっと書いてあるから大丈夫こないだ行ったランチの店にまた行けるよ!」
と、暗黒の深淵をさまよっているほどの大きな不安と苦しみを励まし合って消している。
そして、産み落としたと同時にゆっくりと血抜きを始め競馬馬のマスクを被せた自分の分身に、
「ホラ、あなたの目の前の芝生ってホントに青いでしょう?」
と英語でまくしたてながら、枯れた芝生のコースの上を走らせるのだ。


良いことも楽しいことも出来る、『金』っていう素晴らしいツールは、概ねこのような人間のところに流れている。
小判が枯葉に化けてしまう、ニッポン国に、私は生まれた。


さてと、風呂に入って仕入れに行って仕込みをして10時間お酒を売って朝になったらアイマスクをして眠って昼にあの女たちの声で目覚めよう。

あーー!最高ダ!