Bellicum Pharmaceuticals, Incは、若年・小児(21歳以下)の急性骨髄性白血病(AML)先天性免疫不全(PID)のハプロ移植に、同社が開発中の新薬( BPX-501 )が、著しい効果を示していると発表しました。

 

同社によると、現在進められている治験(BP-004)で、

 

◆ハプロ移植後の38名のAML患者

(13名が最初の寛解、25名が2回目の寛解)に対して、新薬( BPX-501 )での治療を実施しました。

 

中央値1年のフォローアップ期間で、

 

・BPX-501での治療

 

無増悪生存率は91.5%、全生存率は 97.3%。びっくりびっくり

 

・一般に文献でまとめられている造血幹細胞移植後の数値

 

無増悪生存率は60%、全生存率は 80%

 

この治験を管理しているChildren’s Hospital of Los AngelesのNeena Kapoor医師は、

「移植後の再発はAML患者の一番の課題であったが、今回の結果はBPX-501が、効果的に残存白血細胞を根絶させられている可能性を示している」と述べています。

 

 

 

◆ハプロ移植後の若年・小児(21歳以下)のPID患者 59名

についても、BPX-501で治療したところ、

 

中央値1年のフォローアップ期間で、

 

無増悪生存率は88.1%、全生存率は 88.6%。びっくりびっくり

 

前述のカプア医師は、「免疫再構成の遅れは重篤な感染を引き起こしやすく、T細胞を除去したハプロ移植実施のPID患者の死亡率に大きな影響があった。

 

移植後に、BPX501の他家 T細胞による治療は、患者の免疫システムの回復をサポートしている。 又、BPX501の他家T細胞に組み込まれたCaspaCIDeという安全スイッチは、制御不能なGvHDが起こる可能性をコントロールできている可能性を示唆している。」と述べています。

 

 

これらの結果に基づき、同社と治験実施者、米国食品・薬品管理局(FDA)は、若年・小児(21歳以下)の治験手続について確認作業に入りました。

 

規制当局の承認をまって、同社では2018年末には、正式に登録される治験を開始したいと述べています。

 

発表の概要はこちら

 

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アメリカ人(特に、アングロサクソン系)は、ヨーロッパ各国からHLA完全一致のドナーを見つけることも可能で、そういった意味では日本人よりも広いドナー候補者リストを持っています。

 

一方、造血幹細胞移植のドナー登録が進まず、HLA完全一致のドナー移植が非常に難しく、ハプロ移植に頼らなければいけない事態に陥りやすい日本でこそ、このような新薬が待ち望まれているように思います。

 

このお薬(候補)は、まだ1年間のフォローアップですが、非常に可能性を感じますね。