お天気は申し分なかった

よくある冬の日

雨が降らなかったので助かった


ライブはもちろん夜だが

Make A Wish の担当ボランティアさんが

お昼前にお迎えに来てくれた



当時、娘は家の中以外はほとんど車いすだった

だから、家の近くまで

車でお迎えいただいたのは本当に助かった



Make A Wish からはたくさんのご提案をいただいた

・お昼御飯をどこか予約しようか?

・早めについて、どこかホテルなどで休憩できるようにしようか?


私たちは

「そこまで考えてくださるのか!!!」

とビックリするやら、申し訳ないやら・・・


結局、私と娘2人きりで

お台場ショッピングすることにさせてもらった

疲れたら、レストランにでも入って休むし

もっと横になりたいくらい疲れたら、連絡する


でも、


そんなことにはならない自信があった





「買い物したい!!!」


娘が張りきっていたからだ。



アウトレットモールを見てまわり

おりしもバーゲンシーズンの平日で

程よく人気の少ない店内をゆっくり堪能できた


娘はところどころで

車いすから降りて、


「この服、かわいい。

あの服、ステキ・・・うわっ、高!!」



などといいながら

本当に楽しいひと時だった





久しぶりに2人でのショッピング

大きな不安もなく

ココロの底から楽しかった






待ち合わせの時間になり

バーゲンの戦利品を車いすにぶら下げて行くと



思いもかけぬ人がそこに待っていてくれた





私の仕事上の大先輩

娘の病気以前からMake A Wish を私が知っていたきっかけのひと

仕事もボランティア活動も家事も何でもできるあこがれのひと




本当に驚いた



その方も、

なにも知らずそこにいらっしゃったらしい




娘の担当ボランティアさんと

とても仲がよく

その日はライブグッズを買うというお手伝いに来てくださったのだ




ビックリの再会


そしてライブ会場で売ってるグッズをほとんどいただいて

もう娘はご満悦



あんなに悩んだベストやらを脱ぎ棄てて

ライブTシャツを着込んだ

首からはライブのマフラータオルをぶら下げた

ライブ少女の出来上がりだ




今思うと

知らなかったんですよね。。。

ライブって

みんなTシャツを着るってこと。。。とほほ





ZEPP東京は

1階がオールスタンディングで

2階に少し座席がある


チケットは2階席だったが


「関係者席がありますから

そちらへどうぞ」





エレベーターがなく

2階まで階段を上るという試練があったが


なんとかガンバって

着いた2階関係者席は

会場の横壁面にある1列。。。

前に立ちはだかるものは何もなく

斜め横からだが


本当によく見えた



娘はその柵に身を乗り出し

コブシを突き上げ


横についてくださったZEPPのお姉さんから


「その柵は、丈夫じゃないから

身を乗り出さないで」


と何度も注意を受けるくらい





フラッシュの回数をいつもの倍に設定してもらっていたけれど

アドレナリン効果か


いつもと同じ位でおさまった



「楽しすぎる~」



アンコールの前に娘が

肩で息をしながら言ってたっけ





横で聞いていた私は

どんな歌を歌っていたのか

まったく覚えていない


娘が「ああ~!やった---!!!」って

たぶん聞きたかった歌が聞けたのかなって

ぼんやり思う程度


その世界にハマりながらも

娘がいつ倒れるかと

そればかり心配していた・・・







ライブ会場を出ると 雨 だった


予想外の雨

ビックリした



車は5分ほど行ったところに停まっていてくれる

娘は車いすだから


だっと走ればいいかと思っていたが


なんと、zeppで横についてくれたいたお姉さん(zeppのひと)が

ずっと傘をさしかけて

車までついてきてくれた


もちろんお姉さんは濡れている


Make A Wish の担当さんは

傘の用意がなかったことを何度も謝っていただいて



本当に皆さんの支えを実感した

本当に

本当に、ありがとうございました







何より


娘がライブ直後に言った


「今度は、あの真ん中でライブを見る!!」



1階のスタンディングエリアを指差し言ったひと言が


私の思い違いを、思い知らしてくれた




Make A Wish の活動は

「最期の思い出づくり」なんかじゃないんだ!


ひとつのWishがかなうと

次が見えてくる


次を見つけるために

最初の一歩を踏み出させてくれる


それが Make A Wish なんだと。。。。



ごめんなさい。






そして

そのひと言は



担当ボランティアさんたちにも響いたらしい

のちのち

何度も言っていただいた



「私たちは娘さんから

大きな勇気や元気をいただきました」










それから


2度目のライブは私と次女で行ったが


きっと娘はスランディングエリアの真ん中

といわず


一番前で聞いていたに違いない