1周忌が近づいてきた


今年の5月はイヤだろうな・・・と

4月は憂鬱だった



そんな小さな心の機微に頓着しない夫が

(それが彼の長所なのですが)


4月30日に「山歩きに行こう」という。




ガイドブックと数日間、首っ引きで彼が探したスポットは

どうも…なんとなく…気が進まず。


私がほんの一瞬、パラパラとめくったところに

行くことになった





秩父だ




ガイドブックによると、山野草がところどころ咲き

サクラの名所だという。

サクラはまだ、残っているかもしれない






歩き始めて、いきなり、けっこう急な登り坂が続く


息がすぐにあがるが

足元には小さな山野草が咲いている。


それらを見ながら

時々、アイフォンにて撮影



そうして、


今日はガイドブックで紹介されていた野草を探すのが

ミッションだ!突然、決めた。



まずは


ライターかあさんとガンバリ娘の白血病闘病記

エビネ、だと思う。


↑詳しい方、間違っていたらご指摘くださいm(__)m



ホームセンターの苗木売り場の野草コーナーで見かけるが

自然にあるものは迫力が違う


写真で見ると大きいように見えるが

花の直径は1.5センチくらいかな?


これからが見ごろらしく、つぼみがたくさんついていた



こんな有名じゃない、ただのつゆ草だったり

スミレの仲間だったり


そんなのもいっぱい写真に撮った




次は



ライターかあさんとガンバリ娘の白血病闘病記


よく見えない、ですね。。。

茎の真ん中、いちばん上が白い繊細なブラシのようになっていて


これがヒトリシズカ


これはなかなか見つからなかった

本当に小さい


花のブラシ1本が2~3ミリくらい

それが何十本か集まってひとつの花になっている






ライターかあさんとガンバリ娘の白血病闘病記




これはイカリソウ


ものすごく可憐な花だ

すっごい好きなタイプ


家に持って帰って育てたい!!!



でも、そんなことはしない、もちろん、しない


だって、この冷涼な気候だから、こんなにきれいなんだし

持って帰る間に、この子たちはしおれてしまうだろう。。。



それに、


こういう花とは、たまに会うからいいんだろうな

と思う


また、会いに来るから






道を進むと


背中は汗でぐっしょりだが

気分は爽快になってきた





サクラだ!

サクラが残っていた。


もう葉桜だし、花びらがちらちら舞っている


その日は風もなく

ほどよく曇っていて


なのに、サクラの花びらは、


ふらん、ふらん、ふらん



って、右に左に、ジグザクしながら落ちて行く



ライターかあさんとガンバリ娘の白血病闘病記






サクラの木は、道と離れた遠くにあるのだが


花びらは、頭上からも右からも左からも降ってくる




穏やかに、軽やかに、落ちて行く。。。。






足はせっせと動かしながら


でも、頭は何も考えず、ぼんやりその姿を見ていたら





サクラの花びらが


天使の羽に見えてきた





天使が遊んでる




「見えた?」



って娘が言った



「いっぱい、いるでしょ」




本当に、天使だらけだった






秩父と言えば、てっちゃん界では有名

秩父鉄道にSLが走っているのだ



山を登る最中も


ぼーっ



あの独特の汽笛が聞こえていた




天使の羽と、SLの汽笛





夢見心地だ








帰りの駅にて




ライターかあさんとガンバリ娘の白血病闘病記


目の前を走り過ぎて行った





「お母さんのまわりには

いつもは見えていなくても

天使がいるからね」



泣けてきた








翌、5月1日



とうとう5月だ

そんな感傷に浸っているヒマもなく

ばたばたと



私は友人の勧め、そして尽力で


あるお芝居を観た


「煙が目にしみる」 だるまちっくシアター





その中で、こんなセリフがあった


「人の死は、家族だけのものではない。

人の死は、

その人がかかわったすべての人のものだ」






娘の友だちのお母さんから


「うちの子は、ずっと喪に服していたのよ」


と聞いた


その子は、娘の誕生日に友だちと一緒に来てくれて

娘に進路を報告してくれた




きっと


自分がいちばん悲しいと思っていたけれど


その子だって


いっぱい悲しんでくれたんだ




娘には、そんな友だちがいっぱいいたから


だから、みんなで悲しみを分け合ってくれて。。。






そのお芝居の最後のシーンが今も目に焼き付いている




娘ならなにを選ぶのだろう?





(芝居のネタバレになるから、具体的にかけなくてごめんなさい)







「お母さん、しっかりしなさい」


って



「ご褒美あげるから、だから、がんばんなさい」


って




娘の叱咤激励が聞こえるようだ