ヒートアイランド現象が熱中症を引き起こす

元NHK気象キャスター村山貢司氏

 では、どのような環境が熱中症を引き起こしやすいのだろうか。村山氏は、東京などヒートアイランドの都会は熱中症を非常に引き起こしやすい環境であると指摘する。

ヒートアイランド現象により都心部では最低気温が下がりにくい(画像クリックで拡大)

 熱中症を引き起こす大きな原因の一つが気温であるが、気温が体温近くまで上昇、つまり37度前後にまで上がるような環境下では、熱中症が発生しやすくなる。東京などの都会では、緑地が少なく、また高層ビルが多く建ち並んでおり、「直射日光が当たる」「風通しが悪い」「さまざまな放射熱にさらされる」といった環境下にある。しかしその一方、気象庁が気温を測定する現場は、以下のような“甘い環境下”とされる。

(画像クリックで拡大)

・直射日光が当たらない
・広々した芝生の上
・機械的に5mの風を当てている
・高さ1.5mの位置

 このように、ヒートアイランドの都会は気象庁の観測現場に比べて明らかに厳しい環境下にある。37度前後まで気温が上昇することは、日本の気候では滅多にないと考えられがちだが、実のところ炎天下の都会では、実質の気温は「発表された最高気温のプラス5度」だという。つまり、気象庁の測定で気温32度とした場合でも、都会では実質37度と、体温より高い気温であると考えられるわけだ。