あ…ありのまま、今、起こった事を話すぜ!

『おれは台所にいたと思ったらいつのまにか喉元切れてて血だまりの中に倒れていた』

な…何を言ってるのかわからねーと思うが
おれも何をしたのかわからなかった…
頭がどうにかなったみたいだった…

手が滑ってうっかりだとか突発的破壊衝動だとか
そんなチャチなもんじゃあ、断じてねぇ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

「えっと、現実逃避は?」
「十分に済みました」

只今俺は顔見知り(不本意ながら)の男の前に正座させられてます。首にはがっつり包帯が巻かれている。良く生きてるよね、俺。

「アイツは?」
「ずっと手当してたけど、もう大丈夫って僕が言ったら放心したようにどっか行った」
「そっか………多分彼処だな」
「相当ショックだったと思うよ」
「だろうな」

気丈なように見えてあれはかなり繊細な部類に入る。目の前のこいつと同じようなところに属しながら、まだ生まれて間もないからだろう。
首に触れると包帯のごわついた感触が分かった。

「刃こぼれフィーバーだったから、ついつい無意識で切れるか心配になったんだろうな」
「その位置」

おどけが通用しない相手は厄介だ。
奴の目が細まる。

「確実に死にたいときには有効だよね」

うん、多分、それが答えだと思う。

「生きてるけどなー」
「そりゃアンタが常人じゃないからだよ」
「そりゃそうだ。でも、もし本当に死んでたらどうなっただろうね?」
「………馬ー鹿」

そう言った時の目は、あの時と同じ。
あの時のように地面は崩れなかったが
何か別のものは壊れはじめているようだ。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



某氏の情報からちょっと妄想。落ちとかないし(何時ものこと
因みに豹は多分お兄ちゃん宅(←)に行ったと思います。
今日は久しぶりにお客さんがきました。
人さがしのおねがいでした。
そのお客さんは、さがしたい人のとくちょうをぜんぜん覚えていなかったので、その人のもちものからねん力で探してみました。
そしたら、竹やぶの中にいるみたいでした。
でも、ざんねんなことに、もう死んでいるようでした。ねん力で分かりました。
それをお客さんに話すと、とても悲しそうなかおになりました。そして、お礼を言って帰っていきました。



はい、小学生の日記終わり。
この文章には間違いが含まれています。どこでしょーか。
……………しまった頭が煮えてきたっぽい。何だこれ俺は阿呆か。「今更気づいたの?」という幻聴はスルー。
しかしまさか来るとは思わなかった………吃驚して屋根から落ちた……………あの地図なんだ。猫か、うちの黒猫が犯人か。しかもそれ聞きますかオイ。手がかり花だけなのに聞きますか。言えるわけないだろ畜生。まぁ、でもそのおかげで終わったんだし。

そう、これで終わった。
これで良かった、と思う。

静かだなぁ境内。ちびも今日はなんでか出てこないし………何時もは「とーちゃんだしてだしてー」って五月蝿いのに…………

これで良かったの?
これでよかったの。

最後のアイツ、泣きそうだったな………ごめん。でも本当のこと言ったら多分何時かもっと泣かせてた。そう、これで良かったんだ。

これでよかった。これでよかった。
これでぜんぶよかったんだ。

あれ、もう夕飯?どう見ても支度の途中なのに誰もいないけど……なんか足りんくなったから買いに行ったのかねぇ?………うわっ、刃こぼれ酷っ、扱い荒すぎねぇかあの馬鹿。これ…………本当に切れるのかねぇ……………


これでよかったこれでよかった


さいしょからこっちが消えればぜんぶよかったんだ









「ぎゃぁぁぁぁああああああ何やってるんだ貴様ぁぁぁぁぁああああああ!!」

…………えっ?


気がついたら自分より小さいはずの相手を見上げなくちゃいけなくなってて、それすら何故か良く見えなくて、その代わり辺り一面の色は良く見えて




…………静脈の血って、本当に黒いんだ…………




そんな言葉を言う前に口から出たのは液体で、そこで再び視界がフェードアウト。