①極地や厳冬期の使用でなければ化繊シュラフが使いやすい

一般的に化学繊維は丸洗いが出来るが嵩張りやすく、重量も大きくなる。
化繊の一番のメリットは濡れても保温力に影響しないということだ。
これは連泊する場合やキャンプツーリングにも向いた特徴である。


②大きさの基準は30cm×15cm

このサイズを基準に見ていくと、使用温度との兼ね合いで意外に種類が少ないため、候補をかなり絞ることができる。
バックパックにも難なく収納できるため、ミニマルスタイルのキャンプにも持ち出しやすい。


③ダウンシュラフは中綿がグースダウンのものを選ぶ

ダウンにはダックダウンとグースダウンの2種類があり、後者が高価で高品質である。
グースとはガチョウのことで、アヒルよりも毛が長いためよりフワフワなのだ。
少ない毛量で大きく膨らむ。
つまり軽量コンパクトなうえに暖かいわけだ。
これはメーカーがFP(フィルパワー)として数値を公表している。
FPが大きい方がフワフワしているためより良い物であり、800以上あれば間違いない。


④ダウンシュラフは生地の撥水性能に注目

ダウンのデメリットは水に濡れると保温力を失い役に立たなくなってしまうことだ。
冷える朝方に結露してシュラフが濡れることがあるため、表面に撥水する生地が使われていることが多い。
しかし、人間は寝ている間に約コップ1杯分の汗をかくと言われており、内側からシュラフ内部に水分が浸み込むため要注意である。


⑤温度表記はヨーロピアンノームのものを

シュラフを選ぶ基準として温度表記の問題がある。
問題と書いたのは、メーカーによって基準が違ったり、そもそも公表していない場合があるからだ。
これには明確な国際基準があり、「快適温度」「限界温度」と記載されている。
海外メーカーなどは「comfort」「limit」「extreme」と書いていることが多い。

キャンプ場の夜の気温が快適温度ぐらい、ギリギリ死なずに朝日を拝める気温が限界温度、と思っておくと丁度良いように思う。
とは言えども、想像している気温よりも実際の気温は下回るものである。
より快適に熟睡したければ、快適温度+10℃くらいで想定しておくと無難だ。


⑥冬用のシュラフはケチらない

値段はピンキリで2,000円程度の激安商品もあるが、特に冬用シュラフはケチると痛い目に合うことになる。
Amazonでよくある中国製シュラフにも快適温度などの記載があるが、これはかなり怪しい。
快適温度が-15℃と謳った中国製ダウンシュラフを持っているが、-2℃の冬キャンプで寒くて一睡も出来なかったことがある。
根拠不明のハイスペックであるが、ネットを覗いてみると山のように出品されている。
もちろん全てがそうではないだろうが、知識を持ってちゃんとしたものを選びたいものだ。
こういったものは大量のダウンが入っているのをアピールしていることが多いが、FPは低く、短く硬い毛が大量に詰められているに過ぎない。

命を守る最重要アイテムであるため、ちゃんとした知識を持って良い物を買うことを強く勧める。