突然の夫の蒸発。そして就活。
“飛び込み面接”(?)の甲斐もあって、正社員になれたのは良いけれど残業は多かった。
当時次女は保育園で、長女は学童。
両親は既に他界しているし、兄弟姉妹も遠く離れている。
仕事で帰りの遅い母を幼い二人が待つことになる。
寂しいし、お腹は減るし、ということで、二人はよくケンカしていたらしい。
そんなときに助けてくれたのが近所のママ友だった。
残業で遅くなると、私はそのママ友(Aさん)に連絡する。
するとAさんは、自転車で保育園まで坂道をこいで、次女を迎えに行く。
長女は学童から帰ってAさんところに行く。
週に2・3度、夕食はAさんの家で食べさせてもらう。
お風呂も入れてもらい、パジャマの姿になった娘を、私は9時過ぎて迎えに行くことになる。
他人の子供を預かるというのは大変なことだ。
責任もあるし、気苦労もある。
子供同士で喧嘩もいっぱいあったはずだ。
疲れてしんどい時もあったに違いない。
でも、そんな素振りは全くなかった。
私が気を遣わないようにしてくれたのだと思う。
あのとき、ママ友Aさんの助けがなかったら、私達親子はどうしていただろう?
正社員の仕事を辞めてパートで働いていかもしれない。
今もAさんには足を向けて寝られない。
もう一つ、ママ友に救われたことがある。
ある朝突然、長女が「怖い!いじめられている!もう学校に行きたくない!」と言った。
私は直ぐに学校に行き、担任の先生と相談した。
そして先生から、「いじめられている本人が、皆の前でいじめをやめてほしいというのが一番効果がある」と聞かされた。
そこで、私はそのことを長女に説明した。
すると、娘は「うん」と言ったが、それはめちゃくちゃハードルの高いことだった。
そこで、私は学童のママ友仲間に電話をして、事情を説明した。
「明日、娘が勇気を出して“いじめを辞めてほしい”言った時には、どうか学童のみんなに応援してほしい!」と。
学童のお母さん達は、自分ごととして、私の話を聞いてくれた。
それだけでなく、それぞれの子供に話してくれたのだった。
「もし自分がいじめられて、クラスのみんなから無視されたら、どんなに辛いかを想像してごらん」と。
「明日○○ちゃんが、勇気をだして『いじめを辞めてほしい』と言ったときには、学童の仲間が先に立って、『ごめんなさい』と言おうね」と話してくれた。
そして当日、実際に学童の子供たちが率先して、娘の所に駆け寄り、口々に「ごめんね」と言ってくれたのでした。
学童のお母さん達の応援がなかったら、あの奇跡は起きなかった。
お母さん達が、自分ごととして捉えてくれて、それを子供たちにしっかちと伝えたことで奇跡が起きたと私は思っている。
お母さん達の応援がなかったら、娘はそのまま不登校になっていたかもしれないし、そうしたら私は仕事を続けることはできなかった。
近所のママ友と、学童のお母さん達の支援があったからこそ、仕事と子育てを両立できた。
「ありがとう」の言葉で表しきれないほど感謝している。