ダニ媒介性の新しい感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」が、日本国内でも発生しています。
マダニにかまれて発症するSFTSとはマダニにかまれたことで発症するウイルス感染症です。

■ マダニ対策、今できること:国立感染症研究所昆虫医科学部
SFTSウイルス(SFTSV)に感染すると6日~2週間の潜伏期を経て、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が多くの症例で認められ、その他頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状などを起こす。
検査所見上は白血球減少、血小 板減少、AST・ALT・LDHの血清逸脱酵素の上昇が多くの症例で認められ、血清フェリチンの上昇や骨髄での血球貪食像も認められることがある。
致死率は6.3~30%と報告されている。感染経路はマダニ(フタトゲチマダニなど)を介したものが中心だが、血液等の患者体液との接触により人から人への感染も報告されている。
治療は対症的な方法しかなく、有効な薬剤やワクチンはない。
ただし、飛沫感染、空気感染はなくSFTS患者のそばに寄っても感染はしない。

2013年は西日本で40~90代まで40人のSFTS患者が報告され、そのうち13人が死亡。インフルエンザのような飛沫感染ではなく、マダニにかまれなければ発症はしない。ただ全国にウイルス保有マダニが広がっており、北海道や東日本でも油断はできない。
■ SFTSの原因になるマダニ
日本には47種類のマダニが生息しているが、ヒトにSFTSウイルスを感染させるのはタカサゴキララマダニとフタトゲチマダニの2種類と考えられる。成ダニは4~5ミリで血を吸うと1センチくらいになる。
タカサゴキララマダニ(写真1)![]() |
フタトゲチマダニ(写真2)![]() |
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■ 野外では腕、足、首などをカバーして予防しよう
SFTSの原因となるマダニは、家の中にいるイエダニとは全く別の種類で、シカやイノシシがいるような野山に生息します。
そうした地域で農作業をする際や、山歩き、キャンプのときは、夏でも肌を露出しないことが重要です。首にはタオルを巻くかハイネックのシャツを着用し、シャツの袖口は手袋や軍手、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れます。
野外から戻ったら体にマダニがついていないか確認し、なるべく早くシャワーや入浴をしましょう。上着は家の中に持ち込まないようにし、着用していたものはすぐに洗濯、天日干ししましょう。
ただ、かまれても必ずSFTSを発症するわけではないので、落ち着いて対処します。24時間以内ならピンセットで取り除ける場合が多いそうです。
マダニがセメント質を出して肌に固着しピンセットでは取れない場合や、取っても黒いとげのようなものが残ったら皮膚科か外科で除去をします。
一般的に地上1メートルくらいの植物の葉陰にいるため、吸着部位は頭、首、肩、腕、胸腹部が多い。かまれた直後は自覚症状がない場合が多く、2~3日すると炎症が起こり、かゆみ、違和感、軽度の痛みが出現することも。全く自覚症状がなく、気づかない人もいるそうです。
発熱、下痢などの症状が出たら内科や小児科の受診を。その際、マダニにかまれたことを伝えることが大切だ。マダニによる感染症には日本紅斑熱、ライム病、つつがむし病などもある。症状はSFTSとほぼ同じで区別がつきにくいが、こうした細菌感染症なら既存の抗菌薬で治療ができる。SFTSの予防についてはワクチンの研究も始まったが、現時点ではかまれないようにするしかないようだ。
■ マダニにかまれたときの処置法
24時間以内ならピンセットで取り除ける場合が多いとのことです。
1.肌についているのを見つけたらピンセットで皮膚に近いところからはさんで垂直に抜きます。
2.黒いとげが残っていたら黒いとげのようなものや虫体の一部が残っていたら1~2日以内に皮膚科または外科の受診をします。
3.熱、吐き気・嘔吐、下痢、全身倦怠感などの症状が出たらこのような症状が出た人は内科へ行き、マダニにかまれたことを必ず伝えましょう。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について:厚生労働省
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A:厚生労働省
国立感染症研究所のHPと日経メディカルより抜粋

