真っ赤なリンゴをみて思うのは 


若き頃の母の面影


会ったことなどないのに


真っ赤な頬が眼に浮かぶ



優しい葉っぱ 今年もまた見つけた


小さな頃によく握った 楓


誰かと手を繋ぎたくて寂しくなったときに


優しい誰かの手のひらを思い浮かべて


そっと集めた真っ赤な楓


真っ赤な秋はもうそろそろ過ぎ行き


ノスタルジックな想いでも


ふわっと連れ去ってゆく



また次の秋にねって


風に乗って


遠い空に吹いて行く