星
本物の星
イルミネーションは星になりたかった
折りに触れた賞賛
春に
夏に
秋に
冬に
とりわけ冬の或るシーズンなど
多くの場所に引っ張りだこ
人気も最高潮で
人々は誰もかれも
イルミネーションをほめたたえ
見つめてうっとりする
誰もがイルミネーションに心奪われ
恋人たちが
親子が
友達が
イルミネーションとともに
大きな幸せを享受する
けれどもイルミネーションは星ではない
どんなに美しくとも
夜にどんな光を放とうとも
その光は作られたもの
イルミネーション自身が
自ら放つ光では決してない
作りものの光なのだ
ああ
私は星になりたいのだ
本物の星になりたい
コードで流された電流を餌に
人工 作り物の光で人々を照らすのではなく
自ら 内からの光で
天高く さんざめき
皆を照らしたい
本物の星として皆に愛されたいのだ
私はこんなにも多くの人達に
ほめたたえられ愛されながらも
澄んだ夜空に輝く星星の美しさにはやはり遠く及ばない
そうしてイルミネーションは
見上げる空にひときわ強く輝く大きな一つの星をみつめ
自らのその心の内をさらけ出すように
強く 優しく 激しく 物悲しく
光を放ち続け
人々はそんなイルミネーションの心の内を
ほんのひと欠片すら気づくことなく
イルミネーションの放つ光のその前で
誰も彼も幸せに満ち満ちているのでした
おわり
2016年12月に某所に書いた作品
クリスマスのメルヘンとしてアップしてみます。
でもちょと物悲しいかな?
^^
