クリームパンの訪問販売が来訪した。
今時、訪問販売、ましてやパンの訪問販売なんて頗るレトロな手法だと驚かされた。
さて、まず何故私が彼の来訪を受け入れたのかを説明しよう。
我が家の周囲には雨水が流れるための溝がある。
その溝を、のちに分かる事であるが、台車が踏んだ音が聞こえた。
私はその時ヤマトか何かの宅急便が溝を踏んだ、すなわち何かしらの配達に来たのではないかと、瞬時に仮説を立てた。
今時分に届く物を依頼した覚えはないが、以前にも予定配達日よりも数日前に届いた経験があった。
そのためこれからインターホンを鳴らすであろう人物が配達人である可能性が私の中で最上位にきた。
それ故にインターホンが鳴り、附属カメラに人物が映ってなくとも応対してしまった。
これには我が家の飼い犬が吠えることをいち早く止めたいという思いもアシストした。
さて、我が家の玄関扉を開けると、そこにはFischer’sのダーマという人物に似た風貌の男性が台車を持ち、その上に3つ程の発泡スチロール箱、そしてのぼり旗を有していた。
私の視線は男性、発泡スチロール箱、のぼり旗の順に移動した。
のぼり旗には確か、クリームパンやらヒルナンデスと書かれていたと思う。
そして男性のやや甲高い、割と大きめの声で、自分の正体、何をしに来たのか、どういう価値があるのか(ヒルナンデスで紹介されたという旨)をおよそ1,2分で話し始めた。
私は男性の話というよりも、のぼり旗に記載されていたクリームパンを見、「糖質多いな」という感想を抱いた瞬間、購買意欲がゼロになった。
故に男性のものの1,2分の話が体感5分程に感じ、いささか冗長で退屈だと思っていた。
そう、男性はその1,2分でターゲットの購買意欲を高めようと、おそらく何を言うか、どんな声色で言うか、様々な戦略を立てていたのだろう。
しかし、肝心のターゲット、即ち私は玄関扉を開け、ものの数秒(3秒程)で「買わない」という意思決定をしていたのであった。
ここから訪問販売の難しさと効率の悪さが分かる。
・ターゲットを選べない
・訪問先にターゲットが存在していたとしても、ターゲット以外の人物が応対し、断られる可能性がある
・売り手の風貌が非常に重視される
・全体的な清潔感や信頼性が非常に重要
以上から当該クリームパン訪問販売が取るべき戦略は以下
・売り手をイケメンに
→午前中に訪問販売に応対する可能性があるのは主婦が最もボリュームゾーンであるから
・発泡スチロールではなく、お洒落な木箱のようなこだわりのある入れ物を使う
・事前にチラシやsnsを使って周知しておく
→せっかくヒルナンデスで紹介されたのであるから、それを最大限活かそう
・もはや訪問販売ではなく、駅前にリアカーを置いて出張販売等の形態にする
→数値上の検討は必要
