私は帰路についた。

 

誕生日の事を色々考えながら。


正直な話、自分の誕生日をフィリピンパブで祝ってもらうなんて恥ずかしいことに思える。


別にフィリピンパブでなくともだが、要は夜の店でだ。


  


7月までHがいるのならその日は何もしない。


今月中なら行くしかないかな……でもそんな急に今月中帰国なんてあるのかなぁと半信半疑。


何故ならば、タレントの一切いなくなった店はもぬけの殻になる。


閉業確定だね、というか店を辞めたいのかもね。




さてこの日の夜は2人のタレントが満期でさよならパーティだ。


私は確実にお店に行けない事を伝えてある。


1時間置きにLINEが来る。


リアルタイムの自撮り写メも。


私「君はきれいだよー!」


H「ありがとー!」



22時頃にまたLINEが来る。


H「あなたの誕生日の計画は何か決まった?」


私「何にも考えてないよ ははは」


H「nandeeee」


H「あなたの誕生日は祝うべきだよ」


私「うーーーーーん」


H「うーーーーーん」


私「それ真似してるよね!?」


H「違うよーーー」


H「あははは」


私はいつもHをからかうのだが、今回は逆にやられてしまった!


しばらくしてから


私「君が行きたい場所はあるかい?」


H「私が日本で知っている場所はディズニーランドだけだよ笑」


H「でも……私達は今月フィリピンに戻ります😭」


'私「😣😣😣」


H「今会議中だよ」


H「行きたい場所はあなたが決めて」


今月になった……来月ではなく……。。。


悲しい……。


私は考えているうちに寝落ちした……。。。




朝5時頃。


H「社長は考えがコロコロ変わる」


H「社長はよく分からない」


そして


Hから電話が来る。


しかし今はまだ出れないよ……。


H「誕生日にプレゼントをあげられなくてごめんなさい。お金が足りないんです。ごめんなさい」


切ない。


そんな事言わなくて良いのに。


謝らなくて良いのに。


でも気持ちだけは受け取ったよ。




私はHに毎回言ってる。


私にお金は使わなくて良いと。


私「この前君から服をもらったよ」


H「😣」


H「それで十分なの?」


私「私にお金は使わなくていいから」


……。


H「私はあなたに幸せになって欲しい」


私「ありがとう」


よし決めた、誕生日の日にディズニーランドに行こう。


それしか行くタイミングが無い。


間違いなく最初で最後のHとのディズニーランド。


K氏にも聞いてみるが多分無理だろう……。




私「ねぇ、H」


H「はい」


私「私の誕生日に一緒にディズニーランドに行こ」


私「大丈夫かな?」


H「大丈夫だよ、2人で行くのー?」


私「K氏にも聞いてみるけど、難しいかもよ」


H「わかった😊分かったら教えてね!」


H「仕事頑張ってねー😊」


私「はーい!」




今……私は駆け引きを考えたり一喜一憂など一切ない。


そんな気持ちは完全に無くなった。


非常に真っ直ぐな気持ちだ。


ただHと思い出を作りたい。


少しでも一緒に入れたら良い。


Hは長くとも後1週間でいなくなる。


たった1ヶ月少ししか働けず、持って帰るお金も予想を大き下回るだろう。


あまりにも社長が悪かった……店がいい店ならもっと稼げたであろう。


これには少し同情してしまう……。




そして、私にも限られた時間しかない。


Hの帰国する週は私はずっと夜間仕事だ。


さよならパーティもいつやるか分からないが、、、


土日は休みだから土曜日なら……とか考えるが。


予定なんてそう都合よくは行かないだろう。。。


こればかりはどうしようもない。


今私が出来る事の1つは、Hがずっと行きたがっていたディズニーランドに帰国前に連れて行ってあげる事だ。


Hもディズニーランドに行くタイミングは一生無いかもしれないし。




わからないけど……。




とにかく




私はそう決めたのだった。




続く……