皆さんはウシガエルを食べたことはありますか?



僕が初めてウシガエルを食べたのは高校生の時。


鶏肉っぽいというくらいの記憶しかありませんが捕獲から調理までの一連の流れを経験した。


命を頂戴するからにはカエルくんを締めなきゃいけない訳で、それなりの程度の心構えが必要なのである。



時は数年、女子大生じろうから

「ウシガエル食べてみたい!」と言われた。


お!食べよう!!となれば場所。


実は神奈川に来てからウシガエルの鳴き声を聞いたことは記憶にほとんど無かった。


まぁ、いつかやろう。の感じでたまに水路や川を見に行ったりという感じ。


それより僕、実はスッポンを獲って食べたい。


じろうを連れ、初めて先輩に教わったスッポンポイントに行ってみると元気にウシガエルの鳴き声が聞こえるのである。



「!!!!」

つるしかない。


僕は何匹か釣ったことがあるがじろうはもちろん初めて。ウシガエルの釣り方は単純。


"目の前に鉤をつけた何かを落とす"


のである。


動いてれば何でも口にするウシガエル。口にハリが入りさえすれば何でも良いのだ。


狙いやすいのはルアーのフロッグとかオフセットフックを搭載させたワーム。


ウシガエルは岸沿いの草や枝の混みいった場所にいるのでまずは根がかりを回避させるのがベターである。


まさかウシガエルを狙うことになるとは思わなかった僕たちは伊勢尼しか持ってきていないので、適当な発泡スチロールをハサミで切ってルアーの様にハリに付ける。


そしてじろうに釣り方をザッとレクチャー。

足音、落とす場所、アクション、フッキング…etc



そしてウシガエル釣りの秘儀。

鳴き声を真似するのだ。



ライトで照らしても基本逃げないウシガエルだが、食い渋ったりたまに逃げたりする。照らさないに越したことは無いがそうするとカエルの位置が分からない。


そこで僕たち人間サイドがウシガエルの鳴き声を真似することで共鳴を誘う。


もちろん鳴き声担当は男の僕。


「ヴォーヴォーヴォー」……


単調に鳴いてみたりビブラートを掛けたり変人みたいに川にうめく。すると…


「ヴォ-ヴォ-ヴォ-」


鳴き返してきた!


静かに鳴き声のする方向へ向かい、ルアーを落としてチョンチョンする。


そして…


じろう、念願のウシガエル!


こんなに嬉しそうにカエルを持つ女子がいるのか…


次いで僕も1匹釣り上げる。



そしてウシガエルを持って帰るにあたり超えなくてはいけない壁。締めること。


ウシガエルは特定外来生物の為、飼育や生きたままの運搬が禁止なのである。


締めるツールを何も持ってきていない僕たちは、カエルの後肢を持ち後頭部を地面に打ち付ける。


イタダキマス…


カエルを袋に詰め、空腹の僕たちはバイクで帰宅した。


(続く)