夢の中に15歳から18歳時の知人が出てきた。学校で同じクラスだったけれど、とりわけ仲良くしていた記憶もない。共通点としては、お互いほとんど学校に行かなくてパチンコばかりしていたことくらいだ。当時(昭和40年代後半)はそんな学生がある割合でいた。

 彼は2年生を2回やって、3年次にまた留年になりそうだったので、高卒資格をもらって学校をやめさせられた。その後、県警の試験を受けて警察官となった。彼には2歳下の彼女がいた。

 今朝の夢は、現在の僕が郷里に戻って街をぶらぶらしていたら、なぜか彼とばったり出合い「もしかしてKではないか?」と尋ねたところ、「おーIやないか!」と懐かしく話しを始めるというありふれたものだった。そして僕は彼に「お前の奥さんはあのときのCか?」と遠慮がちに聞いたところ「いや、違う」と答えたことに何故か残念に思ったところで目が覚めた。

 目が覚めて、たしか15年前の同窓会で会ったとき、彼は山口県の大きな市の警察署長をしていたのだけれど、16、7歳のときに付き合っていた(僕もよく知っている)彼女が奥さんだと聞き、少し感動した記憶を思い出した。

 なぜ夢の中の彼は「違う」といったのだろうと、既に覚醒している僕はしばし考えているうちに、彼が付き合っていたのはCではなくてHであったことを、古びた頭の中にあるメモリーから取り出すことができた。Cは、やはり同じクラスのNが付き合っていた彼女だった。そしてNの奥さんはCではない。

 Nは4年で学校を退学になり、K同様、県警の試験に合格したまではよかったけれど、採用初年度の警察学校在学中に喧嘩をして警察学校も退学になった。その後、山口県の大きな市の職員となり、部長にまでなった。

 まだ労働機会のセーフティーネットが十分にあった時代だ。そんな巡り合わせに生きてこられてよかったなあと改めて思った朝だった。