先日、札幌駅南口の百貨店にあるビュッフェスタイルのレストランを予約して夫婦で出かけた。アルコールをほぼ口にしない家人と一緒のため、アルコール飲み放題とソフトドリンクバイキングを組み合わせることができるのが魅力だった。


休日前の夕方、店内はどこもかしこも笑顔の客で溢れている。バイキング形式で好きなものを好きなだけ食べられるとなれば笑顔で溢れるのも頷ける。運よく駅前通りを見渡せるカウンター席に案内され、お互いに好きなものを選んで(当然自分はビールが先)食事を始めたが、庶民にとっては豪華な料理が揃ったバイキングだというのに、いつもと変わらずに焼きそば、炒飯、餃子に唐揚げをセレクトする自分に少しだけ呆れたりして。

暫くすると予約席となっていた左隣に同年代の夫婦が案内されてきた。我々と同じようにわざわざ予約してこの日を楽しみにしていたのかなと思ったのも束の間、着席早々二人はもめている様子。どうも入店の際に何かあったらしい。奥さんの方が「私は食べない」を繰り返し、旦那さんの方は「せっかく来たんだから食べようよ。自分が悪かったなら謝るからさ」と何度も返しているが、奥さんは首を縦に振らない。ついに旦那さんは「土下座するから許して」とまで。結局、奥さんが折れることはなく、二人は食事をとらずに店を出て行った・・・。


わざわざ予約までして来たのだから、それなりに愉しみにしてやって来たはずの二人に何が?というか、家に帰った後どんな展開が待ってるのだろうか?なんて家人に話したら、「あぁいう人たちは、いつもあぁいうのを繰り返しているんだから、すぐに普通に戻るから」とバッサリ。「なるほど」と納得し、その後は「飲みすぎ!」と窘められながらも時間無制限の飲み放題を堪能しきったのであった。というどうでもいい話は横に置いといて、今週もぼちぼち始めることにしましょうか。



佐野元春の「悲しきRADIO」という曲をを聴いていたら、中学時代の3年間を通して放送委員を続けていたことを思い出した。

多分最初は自らの意思ではなく、否応なく指名されてのはずだが、中一の後期からは自ら立候補するまでに放送室の雰囲気が気に入っていた。


担当する曜日の昼食時間になると放送室へ向かい、ちょっとしたコンソール台のスイッチやボリュームを操作して音楽を流すだけの仕事。その音楽もクラシックが中心、自分は「エリーゼのために」が入ったレコードが好きでよく流していた記憶がある。アバとかのディスコ曲をかけた時には生徒には評判がよかったが、多分顧問の先生から注意があったのか、その後はまたクラシック中心の選曲に戻ったっけ。


担当日の組み合わせが一緒になるベイ・シティ・ローラーズファンの先輩(女子)と、せっかくだからベイ・シティ・ローラーズの特集をやってみようという話になり、ある日の昼食時の放送枠全部を二人で乗っ取るかのようにラジオ番組仕立てのベイ・シティ・ローラーズ特集を流してしまった。先輩はDJ気取りで曲を案内、自分はレコードをターンテーブルに載せて先輩のキューでマイクからレコードにスイッチを切り替える。どんな評判だったかはすっかり忘れたが、その後二度と同じようなことを繰り返した記憶がないのだから、多分、また顧問の先生に叱られたのだろう。まさに悲しきRADIOである。


そんな中学生の頃にちょっとだけ夢中になって聴いていたゴダイゴが札幌でライブを行うという記事をローカルの新聞で目にした。


テレビドラマ「西遊記」のオープニング曲「モンキー・マジック」とエンディングテーマ「ガンダーラ」が大ヒットして、一躍お茶の間の人気を席捲したバンドで、多くの同年代の方で知らない方はいないだろう。自分もご多分に漏れず、というか兄がこの2曲が収録されたアルバム「西遊記」を持っていて、毎日のように聴かされているうちになんとなく好きになったのだろうが、まだまだロックバンドの演奏を目にする機会がか少なかった時代に毎日のように彼らの演奏を目にしていた影響も大きかったはず。

中二か中三の時には彼らのコンサートに一人で出かけたくらい(あの頃はライブとかじゃなくコンサートって言ってましたね)。ただ、そのコンサートのハイライトともいうべきビューティフル・ネームで、会場の観客が一体となって「ウーワ・ウーワ・ララララ」と合唱する場面にすっかり白けてしまい、それ以来彼らから距離を置いてしまったのだ。


近年、あの頃のレコードを再び集め出したのをきっかけにゴダイゴのヒットする前のアルバムを手に入れて聴いてみた。セカンドアルバムの「デッド・エンド」は、当時、甘すぎる声がロックには不向きでは?なんて思っていたタケカワユキヒデのボーカルとロックオペラ風の壮大なサウンドが妙にマッチした良盤であったことに気付かされた。


その流れで改めて「西遊記」を聴いてみると、これまた当時はロックバンドにしては控えめに感じていた浅野孝巳のギターが、刻まれるリズムも、決して前面に出てこないソロも、見事に曲の一部として存在していたことに気付き、売れるべくして売れたバンドであったのだなと今頃になって思い知らされたのだ。


ということで、あの日のリベンジというわけではないが、5月30日(金)札幌市民ホールで開催される彼らの結成50周年ライブのチケットをついつい購入してしまった自分。どうか当日は「ウーワ・ウーワ・ララララ」の大合唱がありませんように・・・。


今週も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。