飲みニケーションなんて言葉が死語になって久しい昨今だが、上司に誘われたら断れず・・・なんていう昭和世代はなんだかんだとそんなのが今でも続いているわけで、先日もそんな誘いから二人でススキノ交差点から国道を創成川沿いに進み、小路に入ってすぐの更に小路に入った所にある焼肉屋(と言ってもホルモン中心の安いとこ)を初訪問。誘ってきた相手がこの店の晩酌セットを一度ご相伴にあずかりたいと。


店内に入るとそこはまさに昭和ワールドな昔ながらの焼肉屋。晩酌セットはカウンター席限定ということでカウンター席に。カウンターには丸い穴。ここに七輪をセットするらしい。晩酌セットは、モツ類中心の専門のメニュー表から一人二品と飲み物を二杯選ぶ方式。

当然ながらのホルモンに、もう一品はハツ(同行者はガツ)をセレクトし、最初の一杯はやはりビールを…というか小ジョッキながら最初のビールはサービスらしくちょっと驚いていたら、乾杯の後に出てきた肉の皿のちょい飲みのメニューとは思えない量のホルモン群に更に驚き。


↓2人分でこんなに…

これで税込1,000円なら一人飲みにも申し分なし。一人飲みできる店を久しぶりに新規開拓できたってことで、断れない誘いに有り余るほどのコスパだったと満足しきり。当然ながら換気はよくないので帰ったらファブリーズやリセッシュは必須。というどうでもいい話は横に置いといて、今週もぼちぼち始めることにしましょうか。



ビートルズと同時期から活躍する英国のロックバンドといえば、ストーンズ、フー、キンクスが思い浮かぶのは多くのロックファンと同じところ。ただ、ビートルズのオリジナルアルバムは全てコレクションしてひと通り聴いてはきたが、この3バンドに関してはそこまで追い求めることがなかったのは、単純にタイミングの問題だったのか、好みの問題だったのかはよくわかっていない。

ストーンズは何故かどれを聴いても途中で寝てしまうのだが、最近買った初期の2枚(US仕様)だけはそんなことにならないことを考えると、案外とブライアン・ジョーンズ色が自分の性に合ってるのかも。って、何をもってブライアン・ジョーンズ色なのかは知りもしないわけだが。

フーに至ってはUS仕様のファーストに、さらば青春の光、フーズ・ネクスト、イッツ・ハードの4枚しか聴いたことがなく・・・。


ストーンズ、フーに比べるとまぁまぁそれなりに聴いてきたのがキンクスなのだが、ストーンズ、フーのメンバーの名は全て挙げられても、なぜかキンクスはレイとデイブのデイヴィス兄弟以外のメンバーの名も顔も浮かばない。


キンクスの曲を初めて知ったのは多分ヴァン・ヘイレンがカバーしてヒットしたユー・リアリー・ガット・ミーでだったはずだが、その後、オリジナルを聴くまでには、かなり長い年月がかかることになる。

最初に買ったアルバムは不良少年のメロディだったはず。

40代半ば、たまたま寄ったショッピングモールで催されていた中古CD市で目にしたこのアルバムのタイトルに惹かれたのは、ザ・モッズのナンバー「不良少年の詩」に似ていたからで、その時までキンクスのアルバムも曲もユー・リアリー・ガット・ミー以外は一切知らなかったという、本当にお前はロック好きなのかと言われてもおかしくないほどにキンクスに関しては何の関心も持っていなく…というのが、今考えると不思議。だってストーンズにしろフーにしろ、10代の頃には何枚かのアルバムは聴いていたのだから。


そんなこんなで、このアルバムで初めて聴いたレイの鼻にかかったいかにも英国人的な声が妙に気にいって、他のアルバムも!ってことで、次に手を出したのが「スリープ・ウォーカー」。

ここで、熱狂的なファンから人気の高い初期~中期のPYEやRCA時代の作品にいかずにARISTA移籍後のアルバムに手を出すところがいかにも自分らしいか。



まぁ、キンクスに関してなんの知識もなかった自分は、たまたまCDショップにあった「スリープ・ウォーカー」のタイトルと、なんとも言えないジャケットが気になったってだけのことなのだが。


ARISTAに移籍してスリープ・ウォーカーをリリースしたのが1977年。まさにパンクの嵐が吹き荒れてた頃で、彼らもパンクのゴッドファザーなんて言われていたらしいが、それは初期のビートバンド的、ガレージバンド的なサウンドに加え、レイの斜に構えた姿勢からなのかも。前作に続きそれまでの大作群に比べると充分すぎるほどにシャープなロックサウンドになっているのも、そんな当時の状況が現れているのかも…というのは穿った見方か。


オープニングナンバーのライフ・オン・ザ・ロードやタイトルナンバーのスリープ・ウォーカーはレイの鼻にかかった声が充分に堪能できてお薦め。

CD6曲目のスリープレスナイトが、自分たちのコンク・レーベル所属で後に師弟関係の袂を分かつことになったトム・ロビンソンが結成したT.R.Bのサウンドに近しいのが何ゆえかが気になるところだが、このCDのボーナス・トラックとして収録されている「プリンス・オブ・ザ・パンクス」がそのトムを皮肉った曲であるのが非常に興味

深いところではある。


不良少年のメロディ、スリープ・ウォーカー、そして次にリリースされたミス・フィッツまでの3連作が自分の中ではキンクスのゴールデン・アルバム。なんなら後々リリースされたステイト・オブ・コンフュージョンなんかを加えてもいいかも。

中でもスリープ・ウォーカーが特にお薦めっていうのが多くのキンクスファンとは大きく違っているところは十分わかっているのだが、ひねくれたところは案外レイに似てたりだから、それも仕方ないのかも。


最近兄弟仲が戻り復活したオアシスみたいに、レイとデイヴ兄弟もキンクスを復活してくれないかなぁなんて思う今日この頃なのである。



今週も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。