酷暑だった札幌もここにきてさすがに寒さも厳しくなってきて、マイナス気温はもちろんだが12月に入いると雪もそれなりに降ってきて…。そんな中、今年新調したドクターマーチンは以前のとは比べ物にならないほど滑らなくなっているのに驚いたりして…というどうでもいい話は横に置いておいて、今週は80年代にちょっと活躍していたアクシデンツなんてバンドの話でも。



先月、神保町の中古レコード店で1,000円の価格に躊躇し購入を見合わせたアクシデンツのシングルレコード「雨のメインストリート」だが、つい最近●●オクで150円で落札。送料を入れても380円で、神保町価格との差に改めて驚き。


アクシデンツというバンドを知ったのは、この「雨のメインストリート」のMVをミュートマジャパンという番組で目にしたからなのか、博多出身、めんたいロックの流れのバンドという何かの記事だったのかは、相変わらず定かではないが、初めて買った彼らのレコードが「雨のメインストリート」の後にリリースされた「DREAMER」だった。


と言っても、当時は結局このシングルレコード一枚を買っただけで、その後、このバンドのアルバムに手を出さなかったのはこの後間もなく解散したこともあったのかもしれないし、めんたいロックの流れではあったが、モッズ、ルースターズ、ARB、ロッカーズなんかとは明らかにサウンドの作りが違っていたのも大きかったのかも。

それがなんのきっかけか(多分いつものほんの気まぐれで)、今年に入って再びこのバンドのことが気になりだし、すでに手放してしまった先の「DREAMER」が収録されているLP「パワーハウス」をオークションサイトで落札。


↓EP盤もだけど乳首が透けてるこのジャケは…

続けざまにセカンドアルバムの「知らない世界」も。

久しぶりに聴いてみるとボーカル原島宏和(スマイリー原島)のハスキーな声は好き嫌いが別れるところだが、今さらながらボーカリストとしての魅力はかなり高いように感じられ、彼らの作品を一通り聴いてみなくてはと思ったりするのだから、若かりし頃の自分の感性も案外あてになったもんじゃないなぁなんて思ったりして。

ただ、やはりバンドサウンドは自分の知るめんたいロックのバンド群のようなビートが前面に押し出されたものではなく、どちらかというとオーソドックスなロックバンドのような、こじつけて言ってしまえば売れ出した頃のハウンドドッグのようにも感じたり・・・というのはあまりにも無謀な主張か。


流れというのは不思議なもので、アクシデンツを聴き直しているタイミングで、モッズの森山達也と北里晃一が博多時代を綴るHey!Two Punksという書籍を読み、アクシデンツのメンバーだった後藤昌彦、樋口博、宮本秀二が初期モッズのメンバーだったことを今になって初めて知ることになったりして。そのことを知った後に雨のメインストリートを聴いてみると曲の終わり方がなんともモッズの曲に似通っているように聴こえてしまったりするのは、自分がなんとも勝手な生き物であるということなのか。


他にもアルバム「パワーハウス」にはアディショナルミュージシャンとして穴井仁吉(アクシデンツの結成時のメンバー!)、下山淳、安藤広一が参加していたり、花田裕之が曲を提供していたりとめんたいロック界の繋がりを今さらながら思い知らされたり。


この雨のメインストリートのバックで聴けるサヨコ(ゼルダ)のコーラスも印象的で、この曲を聴くたびに東京のバブル騒ぎな世界とはかけ離れた田舎町の独身寮の4畳半の部屋でひたすらロックにしがみついていた80年代の二十歳そこそこの頃の思い出が頭の中を駆け抜けるのは、単に歳をとったからではなく、あくまでもこの曲の力(切なさ)によるところである。と信じてもいいのではないかななんて思ってみたり。 


40年の時を経てアクシデンツというバンドの素晴らしさに気づくことができたとともに、なんだかんだと自分はやはり今でもめんたいロックと呼ばれたバンド群に強く惹かれるんだなと改めて感じた冬の日なのでした。


今週も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。