2023年が明けてからまだ1か月も経ってないというのに、ロックレジェンドの訃報が続いている。
ロック界三大ギタリストの一人として紹介されることが多いジェフ・ベック。
そして日本ロック界の系譜を語るときに欠かせないサディスティック・ミカ・バンド、YMO等の多くのバンドでドラムを叩いていた高橋幸宏氏。
どちらもそんなに熱心なファンではなかったが、それでもそれぞれの何枚かのアルバムは手にしていた。
二人ともまだ70代、長寿社会の現代ではあまりにも早すぎる別れである。
二人が活躍しだした時代は当然ながらサブスクもCDも存在していなくて、音楽を聴く媒体はレコードとカセットテープ、それにラジオという時代。和暦で言うところの昭和の時代だ。
何度もこのブログで語ってきたことだが、あの頃の自分はお小遣いも乏しく、1か月に手に入れられるレコードはせいぜい1枚、多くても2枚がいいところ。しかも、買う時には試し聴きなんて簡単にできないもんだから、雑誌やラジオ、友人の情報を頼りに、これは!というものを厳選に厳選を重ねてから手に入れていたものだった。
で、キズを付けたら即音飛びになってしまうものだから、1枚1枚を大事に大事に聴いていた。なんなら買ってすぐにカセットテープに録音してレコードは大切に保管したり。
聴いてすぐに失敗した!と思ったものもまぁまぁあったりしたけど、それなりに時間をかけて手に入れたレコード、たとえ自分の嗜好と合わなかったとしても繰り返し繰り返し何度も聴いたものだから、そのうちに案外いい感じに思えてきたりして。
商業ロックと言われたスティクスやフォリナー、そしてTOTO辺りがまさにそれだった。
媒体がCDに移行した時は音もクリア、音飛びもなし、好きな曲を一発選曲できて、おまけにCDウォークマンなんて出てきたおかげでカセットに録音しなくてもそのまま外に持ち出して聴くことができたりと、いいことずくめだと思っていた。
手元にあったレコードはたった2枚を残して、すべて売っ払ってしまったくらいだ。(売り払ったのは他の理由に依るところが大きかったが・・・)
あれから何十年も過ぎ、あの頃聴いていたモノをもう一度聴いてみようと思ってもCD化されていないものも多く、どうせならと再びレコードプレーヤーを手に入れたのが50歳を過ぎてから。
それからは昔聴いていたもの、聴きたくてもなかなか買えなかったものなんかを見つけては、CDと合わせてチョコチョコと集める日々。
まぁ、500円以下の格安モノが中心なので、それなりに汚れていたりキズも多かったりで、チリチリというレコード特有の雑音はもちろん、なかには音飛びするものもあったりするが、あの頃あれだけ避けていたそんなのが、今となっては少しだけ心地よく感じてしまうのだから人間ってのは全くもって勝手な生き物である。
なんならレコードの方がCDよりも気持ちよく聞こえてきたりして・・・。
これからは、こんな感じで昔のレコードを聴き続けてるうちに、それらを創り出した多くのロックミュージャンの訃報を耳にすることも多くなるのだろう。だがそれも時代の流れというものだと割り切るしかないのかも。
それならばせめて、レコードをターンテーブルに乗せて音楽を聴くひと時だけは、あの頃のように音と触れ合う時間を丁寧に過ごしたいものだと思うのである。
昨日はちょっと遠くのブックオフで見つけたLPレコードが4枚で、しめて1,600円。
あの頃もこんな買い物ができていたらロックとの触れ合い方も変わっていたのだろうか・・・と、ロックレジェンドの訃報と相まってちょっとだけ感傷的になった日曜の朝なのであった。
↓これを歌ったニコも、ルーももういない
今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。