10月15日(土)にここ札幌で亜無亜危異のライブが行われることを知ったのはつい1か月半ほど前。

行こうかどうか迷っているうちに、いつも行くロックショップでボーカル仲野茂が心筋梗塞で入院したとの話を聞いた。何本かのライブは延期になり、札幌も延期かと思っていたらまさかの早期回復で札幌からツアーを再開するという。


これを逃したらもう観ることもできないかもと、思い切ってチケットを購入したのがライブの4日前。

ところが、前回のブログに書いた同僚の体調が薬の影響もあるのか日を追うごとに悪くなり、急遽10月15日(土)に札幌を引き払い家族のいる東京へ戻ることが決まったのがチケットを買った翌々日の木曜日。その彼からヘルプの連絡があり、当日はちょっとした荷物の整理の手伝いと空港まで車で送っていくことになった。
せっかく買ったチケットだがライブには間に合わないかも。まぁ、それも仕方ないこと。何年も仕事で世話になった仲間が優先だ。


10月15日(土)当日、13時半に千歳空港へ向かうため同僚を乗せ札幌を出発。後部座席に乗った彼は空港に着くまでの1時間半ほぼ目を閉じたままだった。


搭乗口前で回復後の再会を約束し彼を見送った後、再び札幌へ向かうため空港を出発したのが16時ちょっと前。往路とは違い少し渋滞気味の復路であったが自宅には17時半ジャストに到着。
ライブの開演時間は19時。ライブハウスがあるススキノまでは30分ちょい。用意の時間を見てもなんとか間に合いそうで一安心。
まぁ、用意すると言ってもさほどの用意はないのだが。

今回のライブ会場はすすきの駅から徒歩5分ほどのベッシーホール。
ここに来るのは15年ほど前のケントリのライブ以来。初めてスタークラブを観たのもここだった。

会場に着くと入り口前には50人ほどの列。そういえばチケット購入がライブの4日前だったというのに整理番号は47番、さすがの亜無亜危異も集客は厳しそうだ。

列の後ろに並んだカップルに声をかけると新潟からJRで来たとのこと。周りから聞こえる声を聞くと千葉だなんだと札幌以外からのファンがかなりの数の様子。

国鉄の作業服風の衣装に亜無亜危異の文字を記した元ヤンキー風の多くのファンに昔ほど怖さは感じず、逆に微笑ましいほどである。

地下に降り入場、ドリンクチケットが今でも500円で驚き。ドリンクコーナーに行くとノンアルビール200円、ハイボール400円の安さに更に驚き。


ホールの様子は昔と変わらず。

ホール横上段にある楽屋のすぐ下のステージから2~3mの場所を確保。ここだとメンバーの入退場を10㎝も離れない距離で愉しめる。

後方を確認するとオーディエンスは100人前後までには増えているようで少し安心。


そして予定の19時丁度にライブはスタート。

ツアー真っ最中なので詳細は控えるが、心筋梗塞明け初ライブにも関わらず仲野茂のパワーはそんなことは微塵も感じさせないほどに凄まじく、冒頭から6曲(だったはず)ノンストップでのパワフルなナンバーに息切れなど一切なく、再結成後にリリースされたミニアルバムに付属されていたDVDに収められたライブよりも更にパワーアップしていることに驚愕させられる。

途中短いMCを挟みながら新旧織り交ぜた60分間。初期のナンバー以上に最近の曲の演奏のはまり具合にバンドの好調さが伺えた。

アンコールは1曲のみジャスト65分でライブは終了。

予想外のパフォーマンスの高さは、さほど期待もせずにライブに向かった自分を恥じるほどで、同窓会的な再結成ではなく現在進行形のバンドであると確信した。

当然バンドのボルテージに合わせファンもヒートアップしていくのかと思いきや、意外なおとなしさだったのも自分にとっては想定外。これがコロナ禍故なのかどうかは約40年ぶりに亜無亜危異のライブに参戦した自分には知る由もないところであるが、みんなの表情からはとても満足しきっていることが伺える。

還暦近くになろうともパンクロックの奴隷たちはやはりパンクロックの奴隷のままであったと、幸せな気分を噛みしめながら、帰りに立ち寄った居酒屋で乾いた喉にビールを流し込む自分であった。


今週も最後までありがとうございました。