30周年Anniversaryの日本武道館でのライブを収めたBlu-rayでコレクターズに出会ってから5年。35周年Anniversaryも日本武道館でライブが行われ、30周年同様にこのライブをを収めたBlu-rayが発売された。

前回と違うのは発売前に予約しておいたこと。それだけこの5年間でコレクターズにどっぷり浸かったということだ。



This is Modsと題されたこの武道館公演。そのタイトル通り、日本で、否今となっては世界でも稀なモッズバンドとして長く活動してきたコレクターズの現在が詰まった作品。

何をもってモッズバンドと呼ぶのか。

その基準は人それぞれだろう。コレクターズのサウンドを聴いてこれぞモッズサウンド!と感じる人がいるかどうかも疑問だ。


ただ、バンドリーダーの加藤ひさしが「俺が表現するものは、自分のなかではモッズだと思ってる。俺のフィルターを通ったら、それはモッズなんだ、と。俺の作った曲がアメリカンポップに聴こえたとしても、俺にとってはモッズなんだよ」と語っているとおり、ザ・フーと映画さらば青春の光でモッズに出会って(他にもいろいろ出会ってるのだろうが)以降、そのスタイルをぶれずに貫き通す加藤が続けてきたザ・コレクターズは間違いなくモッズバンドと呼ぶに相応しいバンドだろう。


今回のanniversaryライブが、他の周年ライブにありがちなオールタイムベスト的な選曲ではなく、最近の作品を軸においてラインナップされた選曲で臨んでいる点、ステージ上のメンバーの立ち位置、距離感がいつものライブと変わないところは30周年公演と同様。

このスタイルこそが正に現在進行形であるモッズバンドとしての矜持であろう。

唯一前回と違うところがあるとしたら、あの広い武道館が狭く感じるほどにバンドのスケールが大きくなったということか。
ライティング以外はいつものライブと変わらぬステージングであるにも関わらず、そんな風に感じるほどにバンドの状態がとてもいいということだろう。Blu-ray特典映像のバックステージでのメンバーのやとりからもそれは感じることができる。



このライブの個人的なハイライトは9曲目の「全部やれ!」。


出口のない迷路のよう 悩みが渦巻くけど
あれこれ考えてるほど 人生長くはないぜ
タラレバの負のループ 
断ち切れる答えはたったひとつ
やりたい事は 全部やれ
やれない事も 全部やれ
やり切れるまで 全部やれ
やり残さずに 全部 全部やれ

加藤が60歳を迎えたときに書いた曲。


今まで何度も聴いてきたはずなのに、なぜかこのBlu-ray2回目の視聴時、この曲の歌詞が突然こちらの胸に響いてしまった。
これぞ加藤が言うモッズのスタイル。
ある意味、自分が出会ったパンクのスタイルと言ってもいだろう。


他も含め見応え充分のこの作品。税込9,350円は少し高いがDVDではなく特典映像付のBlu-rayがお薦めだ。


やりたい事は 全部やれ


とりあえずは次に武道館公演が行われるときは必ずチケットを買うことにしよう。

相変わらずスケールが小さい自分である。