昨日のイブは在宅勤務。午後から今年最後の有給休暇をもらい、駅ビルまで予約していたケーキとオードブルなんかを受け取りに。出社を見込み会社帰りに寄れるところで予約していたのが誤算だったが、その分時間に余裕ができたのだから良しとしよう。
そして今年は長女がマンションを借りて家を出たため2人だけでひっそりとしたイブに。

クリスマスといえば、自分にはまだ小学生になる前のクリスマスの思い出がない。ただ単に記憶がないだけなのか、クリスマスそのものを愉しむような家ではなかったのかは今となっては知る由もないのだが。


小学生の頃にはツリーが飾られてはいたが、サンタを心待ちに・・・なんてことはなく、それでも毎年クリスマス(イブ?)当日に両親にデパートかどこかに連れられて行き、プレゼントとケーキを買ってもらった記憶はかすかにある。買ってもらったものは兄とセットで億万長者ゲームとか、時にはプラモデルとかそんなところ。高学年になる頃には家族で出かけることもなくなったはず。


中学に上がるとクリスマスは年に2回だけあるLPレコードを買ってもらえる日のうちの一つに変わっていた(あとのもう一つは誕生日)。この頃にはケーキも食べなくなっていたはずだが、それでもチキンくらいは食べていたかも。高校に入った後もそんな感じだったが、兄も独立してたし、父は年がら年中飲み歩いて家にいなかったので、クリスマスだろうとなんだろうと夕食はいつも一人だった(母は拒食の気があって食事を一緒に摂ることはなかった)。

高校を卒業し就職した後の何年かは独身寮のみんなとバカ騒ぎするのが恒例。当時の独身寮には自分を含め9名の寮生がいて、みんな歳も近く仲の良い兄弟みたいな感じで暮らしていて、クリスマスの日もほぼ全員が誰かの部屋に集まって酒を飲むのはいつもの週末と変わらないのだが,酔っぱらって2階の窓から裸で雪山に飛び込むとか、夜中まで続く若さゆえのどんちゃん騒ぎの1日で、山下達郎のクリスマスイブがCMで流される1988年のちょっと前、世間ではお洒落なクリスマス全盛の時にこんな感じだ。人口18,000人の田舎町ではお洒落に過ごそうにもそんな場所も人も皆無だったわけだが、今ではすっかり様変わりしてお洒落なカフェや西洋の方々で大賑わいの街に様変わりしたようだ。

今の連れ合いと付き合っていた20代前半はこの田舎町と東京とで遠く離れて暮らしていたので、一緒にクリスマスを過ごしたことはなかった(はず)。
恋人はサンタクロース♪なんてのは自分とは全くの異次元での話だった。

クリスマスなんかくそっくらえ!そんな屈折した思いが何年も何十年も続いていたってところ。

思えば賑やかなクリスマスは長女と長男が生まれてから。ようやくクリスマスも悪くないなぁなんて思えるようになったのもこの頃か。
そんな長女と長男が高校を卒業する頃には、また昔のようなクリスマスに逆戻り。
ひとり自分の部屋でコンビニで買ったローストチキンを肴にワインをなんて年もあったっけ。
それでも昔のようにクリスマスなんかくそっくらえ!なんて思うこともなくなり、逆に、この日だけでも争いは止めて、みんなが聖なる夜を過ごせていたらいいのになんて柄にもないことを思ってみたり。


争いは止めよう 今夜は僕のモノ
ケンカは止めよう 今夜は君のモノ
シースルーのハート シースルーの肌と肌
言葉よりキスをしよう

君の上にも 誰の上にも
白い雪は降る 世界を無垢に
君は君であれ 許し合おう今夜
愛の意味を 確かめ合おう

Christmas Time Holy Christmas Time Tonight
Christmas Time Holy Christmas Time Tonight
名前でもお金でも権力でもない 今夜だけは
雪は全ての街 白く染め

CHRISTMAS TIME by THE MODS


クリスマスの夜はこんな感じがしっくりくる。
こんな感じならクリスマスも悪くない。
そう思えるようになった57歳の自分が今ここにいる。


追記 
イブの夜遅く、東京の会社に就職してから3年近く1度も帰省していない長男からこの年末に帰省するとの連絡が。
やはりクリスマスも悪くはないな。