デイサービスを利用している方と話していると
心を打たれることが幾度もあります。

様々な困難を乗り越えて今に至っている方との話は
自分自身を振り返り、原点に連れて行ってくれる力があります。

ある利用者の方の言葉を紹介します。



<幸せ>

小さい頃は、「お母さん、お母さん」って
いつもそばにいた子どもたちだったんだけど
大きくなってくると
私のことをみんなに見られるのが恥ずかしくなったみたい

授業参観とか卒業式とかに
「お母さんは年とってて恥ずかしい。だから来ないで」って言うのよ
他のお母さんたちは、若くてきれいな服を着てるみたいなの

だから、子どもたちの卒業式には行ったことないのよね

学校を卒業すると、子どもたちはすぐに家を出て行ったわ
「狭い家は嫌だ、1人で生活したい」って

でもね、今は一緒に住んでいるのよ

私が脳梗塞で倒れて、左半身が不自由になって
1人で何もできなくなったから

ずっと私を手伝ってくれていたお父さんが亡くなってから
子どもたちが、家に帰ってきたの

子どもが私に靴下をはかせてくれたとき
“ありがとう、ごめんね”って伝えたら、どんな言葉が返ってきたと思う?

「お母さん、こんなこと当たり前だよ
 お母さんは、ずっと自分たちのことを育ててくれたんだもの
 こっちこそ、今まで本当にありがとう」

そんなふうに、子どもが言ってくれたの
思わず涙がこぼれそうになったわ

きっと、私、今が一番幸せなんだと思う
最近、認知症や高齢者の方の
自動車運転に関するニュースが取り上げられている。

メディアでの報道の仕方だと
認知症になることや年をとることが
なんだか怖くなるという人が増加しそうだ。

介護現場で働いていると
認知症になることや年をとるということが
一概に悪いことではないように思う。

認知症になることで
忘れてしまうこともたくさんあるけれど
まっすぐな気持ちを表現してくれるので
こちらも素直な気持ちで向き合おうを感じる。

年をかさねると
できないことが増えて誰かの手助けが必要になるけれども
その分、心の底から感謝する気持ちが生まれるとのこと。

認知症や高齢者が
もっと明るいスポットライトを向けられる
そんな社会になれるよう何か取り組みたいと思う。