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以前携帯HP『明日のために』を運営していたmaikaです。
ギュミン中心ミン受けオンリーの
自由気ままな小説ブログです。
興味のある方見てってくださーい^^





俺のやりたいこと…、将来の夢…、そんなものわからない。


俺には自分がない。




俺チョギュヒョンは、ずっと親にしたがって生きてきた。
何もかも親の言う通りに行動した。
あれをしろといわれたらあれをする。これをするなといわれたらしない。
いつの間にか、俺には何もなくなっていた。


親の顔色ばかりを気にして、

友達と呼べる人もいないで。




「俺って、何のために生きているんだろ…。」




そういつもいつも思いつづけた。
俺ももう高校2年生。そろそろ進路を真剣に考えないといけない時期。
進学するのか、就職するのか、自分の夢に突き進むのか。
でも、俺の答えは決まっていた。

親は俺に、有名な大学に入って、
有名な企業に就職して、立派な大人になることを望んでいる。


だから、俺は生まれたころから、進路は決まっていたも当然だった。




でも、俺にも唯一好きなことがある。


それが歌を歌うことだ。



こんなこと親には言ったことがない。
言ったらきっと、怒られるってわかってるから。



だから、ずっと秘密にしてきた。


幼いころ、たまたまテレビを見ていた時に流れてきたバラード。
俺は、その歌に聞きほれた。
俺も、あんなふうに歌えるようになりたい。

でも、幼いころから俺はわかっていたから。


こっそりと、親がいないときに練習をしたりしていたけど。
別に誰に聞かせるわけでもない。
ただ、歌って、自己満足しているだけ。

誰かの目がある中で、歌う勇気すら、俺には持ち合わせていなかったから。





今日も誰もいない屋上で、静にメロディーを口ずさむ。


少し聞いたことのある曲だから、メロディーラインとか、歌詞とか、あってる自信はないけど、別に誰に聞かせるわけでもないからそのまま歌う。
時には歌詞がわからなくて、自分なりに歌詞をつけて歌うときもある。
そんな時は、ちょっと恥ずかしくなって、ぼーっと空を見上げるんだ。


それだけで俺は満足だと、自分に言い聞かせてきた。






「あれ、もう終わり?」
「!?」



誰かがいたなんて気付かなかった。
俺はなんてバカなんだ。人がいる前で歌うなんて。


「もう一度歌ってよ。」
「…人に聞かせるようなものじゃないんで…。」


俺はその場から立ち去ろうとした。
なんで俺になんて話しかけるんだろう…、俺のことなんて放っておいてくれたらいいのに。




「そうかな?僕はすきだな、君の声。」
「は?」
「君、いつもここで歌の練習してるでしょ?」



嘘だろ…。
今日だけじゃなく、ずっと聞かれてたってことなのか?
全く気付かなかった。まるで気配を感じなかったのに。


「なんでこんなところでこっそりと歌ってるの?」
「別にあなたには関係ないでしょ…。」


その人はドアのところに立ち尽くしている俺をひょいひょいと手招きして、
自分の座っている隣をとんとんと叩いた。

俺は迷っていた。
こんなこと初めてだったから。
いつも俺は一人で、こんなに話しかけてくれるひともいなかったから。


これはただの気の迷いだ。
そうだ、そうしておこう。



俺はその人の隣に座っていた。




「ふふ、よかった来てくれて。」
「………。」
「2年生?」
「はい…。」
「ふーん、僕は3年生。イ・ソンミンだよ。よろしくね。」
「…チョギュヒョンです…。」



まさか年上だったとは…。



「将来の夢は歌手とか?」
「まさか…、ありえません。」
「なんでさ。」
「俺はもとから決められたレールがありますから。」
「なにそれ。」
「一つしか、生きていく道はないんです。歌手なんて、ばかばかしい。」



そう言うとソンミン先輩はじろっと睨んできた。
そしてすっと立ち上がったかと思うと、
人差し指をビシっと俺の伸ばし腰に手を置いて、いかにもなにか言いたげな姿勢を取った。



「まだまだ自分の道を決められるっていうのに何言ってるのさ!そんなの絶対後悔するよ!!」
「あなたに何がわかるっていうんですか?俺の親にあえば納得しますよ。俺が進学して、エリートコースに乗るしかあの人は認めてくれないんです。」
「じゃあ裏切っちゃえばいいじゃん。」
「バカですか?」
「バ、バカじゃないもんっ!」



姿勢に疲れたのかまた座って、
今度はふわっとした笑顔で俺に向き直った。



「失敗してもいいんじゃないかな。君は才能あるんだもん、それを無駄にするのはもったいないじゃん。」
「そんなの…きれいごとです…。」
「じゃあ進学してエリートコースに乗っかって、親の言う通りにすれば、それが正解なの?幸せなのかな…。」
「わかりませんけど…。」
「僕はもっともっと君の歌が聞きたい。キュヒョンくんの声を聞いてると、なんだか幸せな気分になるんだ。」



そう言って、幸せそうな顔でにっこりとほほ笑む。


親にだって、そんなに評価されたことはないかもしれない。
この瞬間、俺はなんで親に従ってきたんだろうと、
なんだかそれがもうばかばかしく思えてきて、

そう思うと、どんどん心が軽くなったような気がした。



ありのままの俺をこの人は見てくれた。
ソンミン先輩がなんだかすごく特別な存在に思えた。




「これから、どうなるかはわからないけど、あなたの前だけでは、素直でいられる気がしてきました。」
「ほんと?」
「なんで、もっと早く出会えなかったんだろうって、そう思ってます。」
「ふふ。」



一目ぼれ、とは違うきがする。
でも、確実に俺はこのさっきあったばかりのソンミン先輩に惹かれて行っている。
こんなのことも初めてだ。



「よしっ!じゃあ次の授業さぼっちゃおっか!」
「え!?」
「だって、もっとキュヒョンくんの歌聞きたいからっ!」
「え…、でも…。」
「お願いっ!」
「…はぁ、しょうがないですね。」




なんて言って、まんざらでもないけど。