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たぁしぃです！

卒業シーズンですね。

今日は、卒業式に着る洋服のお直しについて。

パンツのお直しです。

たまには、作業内容を細かく書いてみたいと思うので、ちょっとややこしいですが、読んでいただけたら、嬉しいです。

面倒な方は、写真だけでもどうぞ！

親戚からいただきた卒業式用のスーツのパンツが着せてみたら、なんとパツパツ！

3月初旬、知り合いがSNSで発信していたのを知りました。

お友達のお返事には、妊婦用のアジャスタ〜をみたなどのお返事があり、こちらもその手もあるか？などと思ったものの、せっかくの卒業式、本人が楽なように直してあげたいなと思いまして、連絡させていただきました。

まずは直せるかどうかの判断をするために、パンツの裏側の後ろ中心の写真を送ってもらいました。

この写真で、後ろ中心には、縫い代があまりないこと、脇の部分にゴムが入っていることがわかります。

ゴムを抜けば、少しは良いけれど、パツパツというからには、ゴムが伸び切った状態だろうということがわかります。

その後、本人が着用した写真が送られてきて、前から見たら、タックが２本あることがわかり、その部分で、もしかしたら出せるかも？という判断ができました。

あとは、実物を見なくてはわからないので、その旨伝え、送っていただきました。

ほぼ、大丈夫だと思いましたが、物によっては、タックの奥の部分が切れていて、分量として出せない場合もあるのです。

今回は大丈夫。分量も、ほぼ、考えていた通りだったので、作業に入りました。

始めに後ろ中心のベルト通しを外します。

他のベルト通しは、ズボンについている下の部分だけを外します。

ゴムが通っている部分を解き、ゴムを外し、タック２本のうち、脇側のタックかかかる部分まで、ウエストベルトを外します。

ここで、タックを解くと、片側２cm出るはず…？

パンツには、裏地があり、その裏地にはタック分が含まれていなかったため、表地だけを解いただけでは、ウエスト分量増えません。

裏地もどこかで分量を足さなければならないのがわかったのですが、ポケットもあるので、ただその部分を切って、布地を足すわけにはいかず、脇の部分もほどくことにしました。

着た時に、不自然であってはいけないので、その具合を見ながら、脇部分を半分ちょっと解きます。

ポケット全部解いてしまうと、一番力のかかるポケットの下側部分が弱くなってしまうので、最大の効果がでる、最小限の解きに留めるのが、大事。

そんな場合は、写真のようにミシン目を丁寧に解き、結んでおきます。

写真のポケットの裏生地に切り込みを入れた部分は、ポケットの口布で隠れてしまうので、出来上がった時には、見えなくなりますし、口布を縫い直すことで、強度もあまり変わりません。

タック１本解いた分量を残しつつ、脇に裏地も足し、脇縫いをしました。

さらにウエストベルトの中心部分を切り、そこに、別布を縫い付けます。

別布は、スーツ、制服類などのお直しに使えるように取ってある布地類から、素材感、色などの近いものを探し出し、決めます。

新しく布地を足したウエストベルトを、元のようにパンツに付け直し、ベルト通しを元通りにつけ、最後には、取ってあった後ろ中心のベルト通しをつけます。

タグ類も近い場所に付け直し、糸屑を取り、アイロンをかけ、仕上げました。

もともと後ろ中心はつながっていたので、そこを切り、縫い代を取り、別布をつけたので、見かけ状は８cm別布が見えていますが、大きさとしては6cm大きくなっています。

ここで、どうせ出すなら、２本ともタックを取ったらいいんじゃない？って思う方がいらっしゃると思いますので、付け加えると、売られている状態のお洋服は、そのバランスで完成品です。

今回パンツの前の部分だけで、タック分４cm分だしました。

脇のゴムの部分でほぼ２cmだしました。後ろでは、分量が出ていません。

と言うことで、あまり前の部分だけで増やしてしまうと、脇線が後ろにいってしまうし、ズボンとしてかっこ悪くなってしまうことにつながるのです。

着て楽で、ズボンとしてもあまりおかしくならないように直すのは、やはり経験値かと思っています。

また、お客様やその服を着る方が、何を一番に考えているかが、お直しの手順や方法に関わることも多くあります。

と言うわけで、卒業式に十分間に合う時期に、納品させていただきました。

ご卒業、おめでとうございます！

中学校に行っても頑張ってくださいね！

ちょっと長くなってしまいましがた、今日はこの辺で！

またね〜！

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