私は、高校時代に進路のことを考えるのにあまり時間を割かなかった。でも、漠然と高学歴グループに所属できるようにそれなりの大学には行きたいと思っていた。だから、とりあえず早慶を目指すことにした。文系か理系か。今思えば理系に興味があったのかもしれないが、中学受験の本番の算数の試験で全然わからなかったのがなんとなくトラウマで、文系を選んでしまった。そこからあんまりモチベーションが上がらないまま勉強を続けて、高3の12月になっても本当にこの進路選択でよかったのかな、やっぱり理系にすればよかったと心の奥底では思っていた。友達の一人に理系の子がいて、目をキラキラさせながら自分の志望大学を語っているのが本当に羨ましかった。まあもう後戻りはできないし、大学受験をさせてもらっているだけで恵まれているのだからとりあえずひたすら頑張った。受験はとりあえず成功した。

 

 でも今何していいか全くわからない。大学生の夏休みは2ヶ月もあるらしい。だから油断していた。もう8月が終わる。何かしているようで何もしていない。それはさすがに盛ったけど。いや、むしろ色々なことをやりすぎているくらいだ。アルバイトとサークル毎日どちらか入っている。サークルには3つ所属している。落語とミュージカルと意識高い学術系サークル。この時点で物好きな資質が垣間見える。そう、人と違ったことをやりたいらしい。自分は他の人とは違ったちょっと変わり者アピールをしたいらしい。変わり者=ギフテッドの公式を信じている結果なのかもしれない。就活でちょっと変わり者アピールをして面接官に可愛がられて早期内定ゲットしたいからかもしれない。自分はワンノブゼムじゃなくてオンリーワンでいたいって心の底から叫びたいほど願っているのかもしれない。最近の趣味は趣味探しである。趣味がないのが辛くて、いろんなことに足をつっこんでみる。

 私は基本的にYoutube依存症的なところがある。最近は意識高い系であることを自分自身に言い聞かせるために、暇つぶしにYoutubeを見るという非生産的な行為を正当化するために、Ted EdというTed Talkのショートアニメーションver.をよく見る。その動画のファンタジックでクリエイティヴで流れるような見ていて気持ち良いアニメーションに心打たれていた。もしかしてこれか!?私の人生を大きく変えることになる決定的なきっかけは!この感動は私をグラフィックデザイナーの道に導いてくれるのかもしれない!私にも語れる人生プランがある!嬉しくなったのも束の間。

 

 プロのグラフィックデザイナーはこんな高学歴に中途半端に自惚れながら大学に通ってなんかいない。美大に行くよね。

 

 もう何もかも手遅れなんだよ。なんで高校生で進路を決めなきゃいけないんだよ、、。早すぎるよ。まだなんも将来の地図なんか持ち合わせていないのに、、、。

 でも、きっとそれ以前に親に影響を受けて手に入れたステレオタイプに従って、美大に行くなんて微塵も考えなかっただろうな。だって、わざわざ高いお金払って中学受験をさせといて学歴を得ないなんて勿体無いから。

 

 ああ暗い話になってしまった。予想はしていたが。でもとりあえずグラフィックデザインに興味があるなら、趣味でやればいいじゃないか。そう思って無料のデザインツールをインストールして、例によってYoutubeで使い方の動画を見ていじってみることにした。

 とてもわかりやすく説明してあっておお、意外にできるもんだなと思ったが、あれ、その機能ないんですけど、、?とか同じように操作しているのになぜ動かない、、?とまあうまくいかないことが重なって何日か試みたものの、一向に分からなくて、ついに触らなくなっってしまったとさ。

 

夏休み中に始めようとしたことリスト

・アニメーション作成

・本を読みまくる

・TOEICの勉強

・スペイン語の勉強

・漫画を読みまくる

・小説かミュージカルの脚本を書いてみる

・長期インターン

・ボランティア

・SPI試験の勉強

・数学の勉強

・世界史を思い出す

・一日一個面白いことを書く

・インスタの趣味か面白い垢を作る

・英語で落語をやってみる

・自己分析、業界研究(これは唯一やっているつもり)

 

 はあ、やることはいっぱいあるのに、手は進まない。意識高い系になり損なっている。就職では勝ち組になりたい。でも、こんな思考を持ってしまっている時点でそれは叶わない気がする。大体スゲェやつというのはカッコつけなくても、無理に演じなくてもスゲェのである。また高校の時の悲劇を繰り返すことになるのかな。

 

 あと、大企業に行きたいのとベンチャーに行きたいの板挟み。いや本当はそんな超資本主義的な、勝ち組が勝ち組だけのコミュニティでキラキラウェイウェイしているところで(すみません仕事はその分大変だと思いますが)閉鎖的なギルドみたいなところで高みの見物したい訳じゃないんだ。本当は、本当は、大地に腹這いになって繊細でか弱い生身の人間たちとみんなで手を取り合うような、そんな仕事がしたい。でも、そういう仕事って年収が低い。

 

 お金は大事なんだ。自分が豊かで初めて他人の幸せを願えるのだ。少なくとも、私はそういう人間だ。

 

 こんな奴には奴が本当に就きたい仕事に就く資格はない。