11月12日。彼と入籍した。


そんな幸せなはずの日だったけれど、この日は珍しく喧嘩してしまった。


原因は全くどうでもいいことで、婚姻届を出した際に2人の住民票をもらったのだが、そこにマイナンバーを記載するかどうかでの考え方の相違だ。


私は、記載しなくていい派。
マイナンバーカードを持ってるから分からなくなることはないし、個人情報の塊をわざわざ増やすことはないと思ったからだ。


一方彼は、記載したい派。
1つの書類にしっかり情報を入れて欲しいみたいだった。


じゃあお互いにそれでいいじゃん、と私は思ったのだが、彼は納得いかなかったらしい。


「普通は記載するんだよ💢」とやたら不機嫌で、私も不機嫌に。


何が普通だよ。こっちが普通じゃないって?
別にそんなんどっちでもいいだろうよムキー
と私もキレる始末。


なんで婚姻届出した直後に喧嘩しなきゃならないのかと、市役所からの帰りはすごく悲しかった。


行きはようやく戸籍上でも彼と一緒になれるんだと嬉しかったのに、帰りの雰囲気はズーーーーンと重い。


どうしてこんなことに…とは思ったが、彼がそこまで怒っている理由も分からず、ただ「お前が普通じゃない💢」と言われたらこっちだって意味がわからないし、いい気はしない。


こっちから謝ろうとは思えなかった。


そう思っていたら、妙に身体がだるい。


熱を測ってみたら、38度の熱が出ていた。


彼と喧嘩して熱も出して、踏んだり蹴ったりだ…と思いながらも、泣く泣く仕事を休ませてもらった。


そして気まずいまま、彼は仕事へ行った…のだけど。


1時間ほどして、彼が帰ってきた。
私の好きなケーキを持って。


かなりびっくりしたが、どうやら仕事には行かず、熱を出した私にケーキや風邪薬を買ってきてくれたらしい。


「ごめんね」と差し出されたケーキと風邪薬を見て、泣きそうになった。


そして彼がぽつぽつと話し出した。



「今日の住民票のことなんだけどさ…あれって、婚姻届を出して初めてもらった書類でしょ?俺は、これも記念だと思ってて。だから、マイナンバーも2人とも記載してお揃いにしたかったんだ。片方だけ記すとかじゃなくて…」



市役所の人に、マイナンバーを記載するか選べると聞いて「じゃあ私の分は記載しないで、彼の分は記載してください」と言ったら突然不機嫌になった彼。


彼はせっかくの記念だから、2人とも一緒にしたかっただけだった。


でも私はそうは思ってなくて、ただの書類だと思っていた。


婚姻届はコピー版を市役所からもらっているし、
(彼と住んでいるところは某有名アニメの聖地なので、婚姻届もそのアニメキャラが描かれたものになっている)
入籍の記念はそれで充分だと思っていたから。



思えば結婚指輪を選ぶ時もそうだった。


リーズナブルでアフターサービスも良いとネットで出てきたお店で最初に見たのだが、お互いにいいなと思える指輪が見つからず。


うーんと思いながらも店員さんは必死に買わせようとしていて、「お二人が気に入ったものをせーので指差してください」と言われた時、それぞれ別の指輪を指差した。


「えー!?」と思ったのだが、


「最近は結婚指輪も夫婦で別のものを選ぶ人も多いんですよ。やっぱりお互いに好みが違ったりもありますし、彼女の好みに合わせて買ったものの『俺これ好きじゃねえし』って外されるのも嫌でしょう?」


という店員さん。


そんなもんかなぁ…と思ったが、彼は断固拒否。


「他のお店も色々見てみます」と伝えて、すぐに席を立った。


そして別の店に向かう時の車内で、


「まじあの店員むかついた。ペアじゃなきゃ俺は絶対に嫌プンプン俺たちは別々の物の方がいいって言われたみたいで悲しかった」
と話した彼。


それで次に行ったお店では、お互いに一目で気に入って、しかもちゃんとペアのもの。


私は前のお店と違って本当にその指輪が素敵だと思ったから彼も納得して買えて嬉しかったし、彼もめちゃくちゃ嬉しそうで、指輪を2人で嵌めた時は幸せそうだった。
帰りに、お揃いの指輪を運命のように2人とも一瞬で選んだのが嬉しかったと言っていた。
(だから日記にも書いてたのね)


ご飯もスーパーに買い物に行くのも一緒にいたくて、記念や結婚指輪などの夫婦の形を大事にする彼。


その気持ちが強くて、それを蔑ろにされるのが本当に嫌いで。


彼に謝られて、申し訳なくなった。


私が深く考えてなかっただけで、彼は一つ一つを大切な思い出と思っている。


それだけ私のことを大切に思ってくれていて、その一瞬一瞬を2人で共有したくて。


そんな彼の気持ちを想像できずに喧嘩した。


彼も「普通はこうするんだよ😤」って怒るんじゃなくて、正直にそう言ってくれたら私も嬉しかったし、喧嘩もしなかったけれど。


私との気持ちの差を感じて、何も言えなかったのかなと思ったら、仕方ないのかなと考えたりして。



喧嘩したのは嫌だったけど、彼の気持ちの大きさを改めて実感した日だった。