今日はお休みだったので、午後から夫と出かけて帰りに回らない寿司を食べに行った。


来店回数は2回目。
常連さんも多いようで、店主と仲良く話しているお客さんも多いお店だ。


私と夫は基本静かに「これ美味しいね」「あれも食べてみたいな」と端っこでちまちま注文して食べるタイプなので、店員さんと仲良く話すことはあまりない。


だが、マグロがとても美味しかったので仕入れ先が気になったようで、夫が店主に話しかけ、それがきっかけで色々話していた。


夫が入っている商工会議所の話や料理人という職人の世界の話、経営者としての話など、為になる話題が多くて話が弾み、夫はいつもよりお酒が進んだようだ。


とても楽しく食事し、夜だし寒いからさっさと帰ろうと会計を済ませて、車に乗り込んだ。


夫がお酒を飲んだので、私が運転。
免許とって3ヶ月のぺーぺーではあるが、それでも荒いってほどではないはず…なのだが。


乗ってすぐに、ごめんね、と言いながら、夫がビニール袋にゲボゲボ吐き始めた。


どうやら許容範囲以上にお酒を飲んでしまったらしい。


夫が飲んだのは、ハイボール2杯と白ワインのボトル1本。普段は缶ビール1本とか、日本酒を1杯程度しか飲まない夫にしては、随分飲んだ方だった。


珍しく気分が悪そうで、自分で選んでお酒を飲んで吐いてしまったことを情けなく感じたんだと思う。
「俺、ダメだな」としきりにネガティブなことを言っていた。


私も人前で吐いたことは何度かあるが、どんな理由にしろ、吐く時って身体だけじゃなくて心も弱るものだと思う。


私は自分がお酒が弱いのを知っているので吐くほど飲んだことはないが、乗り物酔いや悪阻、風邪で吐いたことはある。


原因は様々だが、どんな理由でも人前で吐くと自分が情けなく感じるものだ。


汚いところを見せてしまって申し訳ない気持ちや、気を使わせてしまっている罪悪感。




私は、妊娠中に夫に救われた。
付き合って間もない頃だったし、生まれて初めての妊娠はとにかく不安しかなかった。
そんな時、献身的に支えてくれたのは夫だった。


定期検診の時は必ず一緒に来てくれて、先生の話を聞く時に隣にいてくれて。


吐いた時は、優しく声をかけたり背中をさすってくれて、うがいをした後も口の中がゲボの味で気持ち悪い私に、さっぱりするだろうとレモン味の炭酸飲料を買ってくれたり。


夜遅くに仕事を終えて帰る時は、いつも車で迎えに来てくれたり。


不安で弱音を吐いた時は、「一緒に頑張ろう」と励ましてくれたり。


高熱を出したり、膣からの大量出血で3日間病院に通った時も、毎回仕事を抜け出して様子を見に来てくれて、差し入れしてくれたり。


辛い時でもそばにいてくれて、言葉でも行動でも支えてくれる人だと思った。
だから結婚を決めた。


結局入籍前に流産してしまったので、デキ婚と言うべきなのかは分からないけれど。


結婚のきっかけになったのは、妊娠だった。



ほんの短い期間だったけれど、妊娠中は色々あった。


その中で確実に私の夫への気持ちは強くなったし、こんなに優しくて献身的な人とお互いを支え合いながら生きていけたら、幸せになれるかもしれないと思えた出来事だった。


これからどちらかが死ぬまで、そばにいるだろう相手。


相手が弱っている時は誰よりもそばで支えたいし、力になりたい。


そう思うから、夫婦という関係があるんだと思う。


恋人にだって出来ることはいっぱいある。


でも、何かあった時に真っ先に連絡が行くのは恋人ではない。家族なのだ。



家族は誰よりも近い他人。
血が繋がっていなくても、相手を誰よりもそばで支えられるとしたら、夫婦だと思う。


夫婦になれば、夫に何かあった時に真っ先に連絡が来るのは妻である私だ。
彼女だったら連絡なんて来ないだろう。


だから夫が弱っていたら私が真っ先に支えるし、やってほしいことがあるなら出来る限り頑張りたい。


それは夫も同じ意見で、「私も今後、目の前で吐いちゃうことあるかもだし」と運転しながら笑う私に、「その時は俺が守る」と言ってくれた。


ずっとそばにいたいし、楽しいことも辛いことも共有しながら乗り越えていきたい。


この思いさえあれば、きっと何十年経っても私たちはうまくやっていける。前の奥さんみたいにはならない。



改めて、夫との気持ちの強さを実感した日だった。