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 けんけんぱ、けんけんぱ。寒い時にはこれに限る。

   けんけんぱ、けんけんぱ。跳躍を繰り返していると、自然と体が暖かくなる。

   けんけんぱ、けんけんぱ。眼前ではペットのジョンが "まる" とか "まるまる" とかをアトランダムに描いてくれる。

   けんけんぱ、けんけんぱ。けんけんぱ中は何も考えなくとも良いのが性に合っている。小難しいことは嫌いなのだ。

  けんけんぱ。けん。

  かくん、と電池が切れたようにジョンが動かなくなった。

  どうしたのだい、ホラ、チョコレイトをあげようね。

  この声にもジョンは地に這いつくばって動かない。

   大好物のチョコレイトだ、ネ、そうだろう。後生だから、ネ。明日の新聞にでも乗ったら大変だ。

   私はジョンの "まる" でしか進めない。最後の "まる" から動けない。ジョンにチョコレイトを渡そうと手を伸ばせど届かない。

   動かずにいると割合風があることに気づいた。寒くなってきている。

   ジョン、ホラ、ダメじゃあないか、君はこのチョコレイトを食べて立ち上がってくれるんだ、ネ、そうだろう?

   振り向くと高町だった筈の瓦礫からこちらに向かって『けんけんまる』が連なっており、それはまるで抗えない鎖のように思われた。

「か3cm進んで」をスローガンと掲げた我ら夫婦の青春旅行は結局は近所のお散歩レベルにランクが落ち、それでもわたしはピクニックだねえランラランランと矢沢永吉ばりの鼻歌を吹かしながら自慢のママチャリ(親父の)に跨りしこしこと鼓が丘を登っているが、ずっと頭に残っているのはそんなことよりどんなことより彼からの返事が一向にない事なのだ。それが今一番の気がかりで、今一番興味のない男に成り下がってしまっているのだ。今すぐライトナウどう言い訳をしても、彼がわたしに謝罪することなど不可能なのだ。わたしは知っている。


  つい5分程前の出來事であった。「かぜに3cm進んで」というスローガン通り、追い風3cm進んだ時に橫に並んでいた彼のチャリンコを橫から蹴り倒した。運が悪く彼の落下予測地点はぐちゅぐちゅの田んぼ(? 泥? みたいなよく埋まってるやつ)で、タイヤの接地面を支点とし、きれいな半扇を描いて倒れていった。超スローモー。しかし着泥時の音は何かあんまりとくべつに思わず、フツーに「あーチャリンココケたなー、がじゃんっぐぬぬちゅって音したなー」と、こんなもんであった。彼の顔は泥まみれになっており私はつま先から身體全てを使って、笑った。金田、そう金田は泥まみれでほんのちょっと笑ったような気がしたが、多分睨んでた。根拠もないけど。ちなみにわたしが同じことをされたら睨む。そしてグーで殴る。


   今日は祝日。人が多い。あのまま寢転んでウンウン唸ってたら誰かが來てくれるだろう。わたしが助け出すのはNOである。あんな汚いもん橫に置いとけるかってんだ。救出中ぜってー服とか汚れるし。最悪。気合い入れて買ってきた洋服。まあ自分の中の人たちで侃侃諤諤して達した結果といえば、とりあえず金田は放っておいて自分はまたチャリンコ(親父の、4WDと命名した。センス◎)で鼓が丘のてっぺんを目指すことだった。

 

  どんどん体力が奪われてゆく。春だというのに今日は晝ごろから太陽殿下が怒髪天であるため水分の補給はかかせない。チャリ(親父の)の前カゴには2人分のサンドイッチと野菜ジュース、そして駄菓子150円分。この駄菓子は金田発案である。「だってさ! ピクニックだぜ、ピクニック! お菓子は何円までですか! 彼女も一緒にいいですか! 防音防振室はどこですか!」

ねーよそんなもん、と一蹴したが "彼女" という金田の言葉にわたしは少し腰近くに重みを感じた。彼女、彼女、彼女、彼女、彼女、彼女……。わたしに知らない金田がいるのが不愉快だったので、とりあえずここから降りたら詰問することとした。彼がもし生きていればの話なのだが。


  鼓が丘中腹の広がった芝生広場ではいくつかのグループが休憩を取っている。この光景が不思議でたまらなかった。ブルーシート一枚の上で家族が遊んでいる。フリスビーが家族のテリトリーから飛び出て行く。小慣れた手つきでそれを捕まえた少年(小學低學年くらいであろう)も急いでテリトリーに戻ろうとする。例えばシートに対して尋常ならざる執着心を持つ者が家族に危害は加えずにそのシートだけをずたずたに切り裂いたとしよう。すると家族はどこへ帰って行くのだろう。

   そしてグループ各々はまるで家庭で息づいているように生活をしている。そこは家じゃない、芝生だ。人工の芝生だ。刺され。


   グループ同士は皆お互いを見ないふりを決め込んでおり、まるでこの空間には自分の家族しかいないみたいな分厚い面の皮したヤツらばっかりで、そしてそれにまぎれて私は地面には何も敷かずに座り込み、そのままの姿勢でバスケットに手を伸ばす。潰れたサンドイッチが1つとまだマシなサンドイッチが1つと油マシマシ染み出し放題のコンビニ唐揚げ。凹んだパック野菜ジュース。

   手を拭くのもほどほどに一番潰れたサンドイッチの包裝を解き口に運ぶ。キャベツとハムとハムとたまご。うまい。うまいっつーかなんつーか、サンドイッチ味だ。まぎれもない。よもや全世界のサンドイッチがこんな味してるってわけねーよなー、不思議だ、と思う。サンドイッチと言われれば人間はこの三角いのを想像するけど、これは遊星からの物體Xみたいなんが昔この土地に來て、遺伝子操作をして帰っていったと考えればどうだろう。私たちがサンドイッチをサンドイッチと認識できるのはその関係性を示した第三者の影響が大きい、みたいな。世界史上で、世界各地に同じモノが急に発生したなら人間の及び知らぬところで何か操作されているに違いない。神の見えざる手。多分今日を迎えたのもそうである、みたいな。例えば--あちら北東側のリボンネコちゃんのシートを敷いたファミリーは、パパが攜帯ゲームをして、お子さんもそれに漏れず通信対戦に花を咲かせている様子である。遅かれ早かれあのご家庭は崩壊する……みたいな。


   そうこうしている間に1枚目のサンドイッチを胃に落とした。ふう、とため息が出てタバコを吸いたくなった。ここは人工芝だ。吸えるではないか。わたしはくしゃくしゃになったNEVER KNOWS BESTを薄い唇に妖艶(なイメージ)に挟み、イムコのペンギンライターを取り出した。グループの全員が全員こちらを振り向いた。咎められるのかと身構えたが、彼らはあまつさえわたしに問うてくるのであった。「あのーぉ、ここってぇ、タバコ、いいんですかぁ? 芝生みたいだけどぉ」


   鬱陶しい。わたしの嫌いなタイプの女だ。周囲にはいつも何人かの男がいて、本當の愛すら知らずに青春の長い時を自墮落に染めて行き、しかも頭弱そうっていう。リーヅモイッパツドラドラドラ。


「あァ、コレっすか。わたし……自分、携帯灰皿持ってんで、いーかなーって、ただそれだけなんすけど」多分わたしの目は笑っていないのだろう。相手のグループのくたびれたオバハンが半身ずらして、「お一人様でしょう? もしよかったらご一緒しません?」と聲のトーンを上げて話しかけてくる。

  オバハンはすごく愛想が良く、ちょっとした悪いことをしたって告白しても全部やさしくつつんでくれるような、そんな柔和な印象を受けた。マジモンの淑女、ここに極まれりである。ヤクルトガールか、果てはディアンケト系マザーか。

「あーいや、あのー、友人、てか主人?  が、多分後で來ると思うんすよ。だから大丈夫です。大怪我とかしてたら來ないかもだけど」


   大怪我、という言葉にオバハンのオバハン手助けスイッチが入ってしまったようで、私にできることあったらなんでもするから! ね! あ、そうだ! 番號交換しよっか、ね、なんかあった時とかアレだものね、ね、ね、 そうしましょ。と勝手に熱を上げている。


  こういう時の対処法は何種類かは心得ている。

     ①バカなフリをする

     ②聞かれてもいないのに自分語りで圧倒

     ③持病の発作

     ④変なおじさん登場


   さて、落ち著いて考えてみよう。まず①は無理だ。先程かなりスムースに會話してしまっている。

   次は②。これは私のトークスキルが相手よりも高い場合にしか成功しない。成功したとて自分語りに乗っかってきて余計に面倒なことになるのである。経験則である。

  ③持病なんてもんは特にない。

  ④そうそう現れるモンじゃない。

  なんというか、抜本的に敵う相手ではなかった。

   私は考えるのをやめて、もう一度お節介オバハンに向かい直すと、遠くを見たままぎょっとした表情で丘広場入口を見つめている。周囲のグループもほぼ全員の視線もその出入り口のゲートに注がれている。


  この公園の出入り口はゲートになっており、一度入ると3mを超える頑丈なコンクリート壁がペドフィリア、ロリコンの手から守っているそうだ。

   しかし、今。あからさまにヤベー奴が、正面ゲートからゆらゆらとまるで幽霊の様相で真っ直ぐこちらへ進んでくる。ドロドロのパーカーからは水が滴っている。チャリからは謎の枯れ草みたいな何かがブレーキパッドからぶら下がってて、タイヤを回すたびにコキコキ鳴ってる。最悪だ。ぐっちょぐちょの泥おばけ、お前ベトベトンか何かに襲われて来ただろって感じ。ゲート近くの子供達は這々の体でにげまどっている。


   最悪なのだが嬉しかったのも確かだ。しかし私は大人である。ここで大喜びするのは頭空っぽのヤンキーねーちゃんだけだ。多分リボンの白貓の健康サンダルだ。しかし、気持ちの奧の、心の奧の、自分ではどうすることも出來ない機関に金田がしゅるしゅると潛り込んでくる気すらしたのであった。


   やがて金田は私だけを見続け、私だけに歩を進め、私の前に立った。他のグループ概算20余人も未だに私たちを観覧している。おい金とるぞ。私たちは今お互いの愛を確かめ合ってんだ。見世物じゃねーんだぞ。

   どんどん近く。どんどん、どんどん。歩み寄ってくる。

   そして私は呼吸を止めて1秒。覚悟は決まった。わたしは金田がこの場所までともにしてきたガイアのかけらをキスをする。と思ってたらしなかった。何考えてやがる金田。

「サンドイッチ、まだある?」

   泥より食い気。なかなか大和男児である。

   そのまま彼までも、どすんと緑の上に座り込んでサンドイッチを取り出した。

「泥、落とそう、先。汚ねーから、ほら、あそこに手洗い場ある から」

   言いながら私が辺りを見回していると、言うか早いか金田はもうすでに1枚完食していた。あまつさえ指をペロペロしている。だから胃腸が強いのかなんてどーでもいい事を考えた。

   もう私たちに注目するものはいなくなった。いや厳密に言えばさっきのババア(オバハンからババアに昇格)だけがこちらをチラチラと気にしている。まるでコンクリートジャングルの中でシマウマの親子を見つけたような、好奇心だけで出来上がった眼差しである。

「どれ食べた?」

「んー、なんかパンとパン」

「それ中落ちじゃん! いや中落ちが何か知んないけどさあ、なんつーの、それサンドイッチの外皮だよ、そりゃパンだわよ」

  金田は口に含んだようにああ、と軽い嘆息を漏らした。

「これ食べ終わったら、てっぺんまで登ろうか」

   私は彼の提案に賛成する代わりに、交換條件として体(洋服ごと)を洗うことを約束させた。

ういつの間にやら、快くも朗らかな秋は、既に歩を進めてしまった。後頭部を刈り上げておる為、現在私の頭はさむむである。ぶるるである。

    さて、今私はまだ、こんなになってまでもまだバンドを続けている。ライブはまだあんまし出来てないけども、どうも大切な大切なライバルがいなくなってしまうらしく、ついに狙い目が、ついぞ我々の出番なのか、などと思案する毎日である。うそ、ちょっと盛った。

    私たち catamaran は、私たちのペースで、私たちにとっての最高の音楽を編み込んでいる。だから待て、暫し。

    翻ってRe Viewである。わし先輩〜! ゆーいち後輩〜!
なんっつって言っていたのに、私たちがまごまごとしているうちに、彼らRe Viewはずーむずーむとその足を悠々と広げていってしまい、もう届かないと思った瞬間、私は『先輩』から『ライバル』という位置に (当人らの承認も得ずに) 落ち着こうと思った。言うなればシゲルかグリーンである。リクである。シャアである。盟友とも言い換えられるかも知れない。

     Re View の成り立ち……から説明してしまうちょっと2人ぐらいから怒られそうなので割愛するが、活動最初期のお話でもしてみんとす。
    彼ら3人はよく私の家に居着いていた。もうほんと、ずっと一緒に遊んでいた。スゲーダルい事が起ころうが、ムカ着火であろうが、私の家で音を合わせると、幾分かは忘れられた。それでもやっぱりダルムカは残るけども。 
    遊びに行っては笑い、楽器を持たずとも笑い、いつか先輩後輩とかゆー変な関係がなくなっていて、それが最高に心地がよかった。そうだ、『仲間』であった。ちょっと恥ずいけど。 ジャケット製作、フライヤー製作も初期の方は手伝った事もあった。無償。あれ、タバコ2箱ぐらいもらったかも。わからんけど。
    あの頃はフォトショップもイラストレーターもデザイン技術も全てが未熟だった為、実のところ思い残しはたくさんある。 
 『あのダイヤ要ったか……?』 だとか、 
 『あの " i " 勝手に花にしたけど……』とか、
『アラウンドのステッカーホラーみたいじゃね?』など。
 マァとにかくこの日々は紛れもなく闘いの日々であり、享楽の日々でもあった。しかしながら、ホントウに闘っていたのはいつもRe Viewだった。 
     一度、彼らの初ツアーのサポートという形で、3ヶ所だけではあったが、ご一緒したことがある。
    初日の出来事だった。本番前の準備中に、我がメンバー小松ボーイの粗相により、私のギターが折れた。阿鼻叫喚の楽屋の中、一番笑っていたのは私とテルだった。本気で心配したのはユウマ(デブ)とうちのメンバー3人。現行犯の小松ボーイは無言で財布のお札数えてて、ユウイチはテンパってそれどころではなかった。まさに地獄絵図である。
    テルがコインパーキング酔いつぶれて説教されていたり、ユウマが水苦手って言うからお風呂行って桶でバジャーってしたり、ユウイチは楽しいねえうへへって笑ったり。 とりあえずお風呂屋さんの駐車場のアスファルトに寝転んで星見た  (あんま見えなかった記憶がある) 私たちですら、たった3日間ですらこんなにも残っている。彼らにも何かキラキラとしたものが埋まっている筈だ。闘っていたのだ。

   だめだ、Re Viewっていうバンドは私にとって色んな物事が詰まっていて、万華鏡みたような存在だった。我がバンドと彼らとはかけがえのない思い出が、感情が、気持ちのダムから溢れてしまって、ちょっとだけ、うん、ほんのちょっとだけ、iphone の画面がにじむ。 


    だらだらと思い出話ばっかり綴っても仕方ないから、とりあえずRe Viewっていう3人は人を楽しませられる奴らなんだって事だけご理解頂きたい。

    本人らは気持ちよく決断したという話らしく (それでも葛藤があったであろう事は想像に難くない) 、活動休止と聞いても、何故か悲しみはあまり湧かない。その代わりに、悲しみ以外のいろんな感情が私の指の先までも突き抜けてまた消える。安心した、というのが一番大きい気持ちだ。また、安心して欲しいというのは本懐だ。あとヨシカワくんほんとにおめでとう。

    いつか、余裕ができた時、また3人を始められるようになったら、4番目ぐらいに教えてほしい。結構な自信でしょ?
    けだしRe Viewは何年経っても絶対ステージに立てるバンドだ。私もまだ対バンの夢諦められないし。たのんます。


    あとごめんなさい、ほんとごめん、ここからは個人的な話になります。気になる人は見てみてね。



   ユウイチと私が出会ったのは、私が高校1年生の時分だ。私がヒョロガリ上裸でストラトキャスターをかき鳴らしているのを見て、何を間違ったか私に対して憧れに近い感情を抱いたそうだ。君ナニか間違ってるよ!!
    と、マァ冗談は置いておいて、それ以来ユウイチは私にとても懐いてくれた。一緒にアニメ見たり、なんやりしてね。
「ぷっちょさんは俺のギターヒーローっす!」ってずっと言ってて、コイツマジで大丈夫かな?  って思ったりしてたんだけど、お前がそう言ってくれたから、俺はギターヒーローやったんよ。ありがとう、ほんとに。死ぬわけじゃねーのにね。

    ユウマはいいパパにならんなんね。変なアニメ見せちゃいかんぞ、俺みたいなんになるぞ。マァ君は大丈夫か。
     君の事だから『大人になったら一緒バンドすんねん』とか考えてるかも知れんけども、やっぱりお子さんの意見を尊重してあげてね。俺も昔空手習ってたけど、イヤすぎて吐いてたから。マジで。俺の事はえーねん!  アホか!
    うちの母がデブデブ呼んでごめんね。もう慣れたね


    テルは上手に生きていきましょう!  以上!
            (実はテルが一番ヤバいエピソード多いんやけど、
             ヤバすぎてここでは書けません。察して)



    送辞みたいになっちゃったけど、いいよね。みんな読んでくれたら嬉しいなあ。
    人生で初めてギターヒーローになれた日が、ユウイチと出会った日で、僕のバースデイみたいなもんで、彼がいたから今の僕があるっていうのもマジでそー思う。僕をヒーローにしたのは彼らなのだ。そして彼らこそが僕にとってのヒーローでもあるのだ。
    だから12/16の奈良NEVERLAND、みんなでいこーね。
    ヒーロー3人の再出発だ。