
行方不明になる女性登山家と男と女の違い、それに関わる周りの人間模様。
まず思ったのは当たり前だと思っている「生きる」ことの奇跡。男として生きる、女として生きるということ。
舞台美術についてロープを張り巡らし「山」を表現しながら「生きる」ことのしがらみなど二つの事を見事に表現してました。
前地悠子役宮田さん。最初の印象がどんどん変わって様々なモノを抱えながら全てを引き受けてただひたすらにもがいて「生きる」ために前へ進もうとする。自分の中のケジメのため、それ以上に周りのために。自分がわからないのかもしれないな、誰かの為に生きるしか自分が壊れそうな時はあると思います。「女だから」「女として」「女だけど」の瀬戸際ですよね。色々なものが混じっての難しい役。考えさせられましたし、共感出来る部分もあるな。観ていて生々しいんだけど何処かさっぱりしててカッコいい役者さんだなぁと再認識しました。
前地弥太郎役、今津さん。正直今回の役は私にとってはとても素敵でした。今まで拝見した中では1、2を争うカッコ良さと優しさとを持つ役でした。おそらくですが、悠子の「女として」と「登山家」としての理解者であり、協力者なんでしょうね。相反する二つの顔を自身も研究者として理解しているのかな。二回拝見しているのですが「ゆっこ。おやすみなんしょお。」は沁みました。カッコ良かったな。
五十嵐亜美役、伊藤さん。実は意外だった役。割りとハッキリ、キッパリとした印象が強く。こうした普通の女性の印象がなかったので。でもやっぱり上手いなぁと、目の印象はいい意味で彼女は強いな。役として何を観ていて、何処へ行こうとしているかを拝見していて考えながら観ていると面白いなと思えます。
屑木和伸役、ゴミ箱さん。今回の一番印象の強い役者です。正直あまりのカッコ良さに惚れました。感情を抑えた声と芝居に魅力されました。悠子への「女性」としての思い、それ以上に「登山家」への思いの方が強いのかな。「登山家」今回の舞台「ジェンダー」の意味を宮田さんとの対比を通してわかりやすくしている役。ゴミ箱さんの台詞は本当に刺さりました。「生きる」ことの意味だったり、強さだったり今回観に行って本当に良かったなと思える一番の役者さん。
水戸弘明役、中居さん。怖い役ですね、ビジネスとして悠子を「商品」として観ている。しっかりといってはあれですが中居さんの芝居を拝見したのです。表情と目の動きというか視線の持っていき方が上手いなぁと。ぱんださんと緊迫感のあるやり取り面白かったです。別の役も観てみたいと思える役者さん。
田部淳子役、大脇さん。今回の舞台の目当ての役者さんの一人。やってくれました。水戸さんとの緊迫感のあるやり取り。すれているようで実はとっても温かみのある優しい女性。本当にカッコ良かった。役として女性でありながらバリバリ仕事が出来てでも母親としての側面を持つ優しさにあこがれますし、似合うなぁ。。観る度に好きだなぁと思えるしこちらの期待を越えてくる。作品を観てみたいと思える役者さんの一人。
宮田七郎役、喜連川さん。笑わせて頂きました。いい意味で若い男性陣と共に今回の癒し。面白かったです。ユキちゃん最高でした🐏
野口健役、スズキさん。この方も今回の癒し役。面倒見はいいんだろうな。シニカルな部分はあるけれど基本的に優しい役。でも後輩にたしなめられる所は笑い所の一つ。面白かったです。
中島健郎役、菊地さん。今回の癒し役と笑い所の一人。ふと思ったのは彼が「手柴」ならどんな風に演じるんだろうなと思ったのでした。最近よく拝見する役者さん。別の作品も観てみたい。
花谷泰宏役、俊平さん。彼も癒しの一人。扱っている内容がこうしたモノなので癒しでもあり笑いの彼等の存在はとっても楽しませて頂きました。
手柴謙介役、本田さん。笑わせて頂きました。面白かったです。内容がこうしたモノなので本当に存在は貴重。場を和ませて話の世界に持っていけるのは観ていて楽しかったです。彼にも思ったのですが「前地弥太郎」を演じたらどうなるかなと思ったのでした。今は難しいかも知れませんが、もう少し年齢を重ねた上でですけどね😅。初めて拝見する役者さんかなぁ。歳せいか物覚えが・・・。特に人の顔を覚えるのが苦手になってきてるな。でも今回のはインパクトありでしたね。
植村直己、藤原さん。今回観に行く目当ての役者さんの一人。最初に出てきた表情に「こうくるか」ともうあまりの爽やかさにやられました。いい意味で裏切られるんですよね。撃ち抜かれるというか。先輩、後輩想いのいい仲間であり、兄貴分。カッコ良かったな。
下平凛役、坂本さん。目当ての役者さんの一人。感情がストレートに伝わってくる。苛立ちをぶつけても仕方ないのは本人もわかってはいるのだろうがおさまらないのだろうな。珍しく感情剥き出しの役でしたね。それは伝わってきました。
下平凛役、暁月さん。こちらはどちらかというと抑えた芝居。怒りや苛立ちを静かに燃やしている感じだなぁ。お姉さんが好きなんだろうなでも感情として赦せないモノがあるのだろうな。葛藤が見てとれる。
前半の公演を観ているので後半どうなってるのが気になりました。後半の公演を二回観てみたかったな、多分印象が変わりそうな感じだったので。今回の舞台の世界観は好きでした。二時間が短く感じました。「生きる」ということ、自分にとっての「ヤマ」とは、「男」と「女」とは。考えさせられました。面白かったです。
ここらで締めたいと思います。皆様お疲れ様でした。