リハビリに注ぐ少々のスパイス -44ページ目

リハビリに注ぐ少々のスパイス

臨床での疑問をもとに、色々なことを書いています。
教育にも興味があるので、少しでも多くのセラピストのためになる記事を書きたいと思っています。

今日は初歩的な内容に戻りたいと思います。
呼吸について詳しい方にはあまりにも基本的な内容ですがご容赦下さい。

一応、私は今年呼吸療法認定士を受験する予定です。
一昨年から受験しようとしていたのですが、一昨年は受験のために必要な講習を受けられず断念。
昨年は子供の出産予定日と講習日が重なったため断念。

今年はようやく受けられそうです。笑

呼吸療法認定士への道!!』とでも題しましょうか。
それでは第1回です。

呼吸は私たちは随意的にもコントロールできますが、基本的には自動的に行われています。
この呼吸中枢の場所が脳の延髄と橋にあるとされています。

延髄の呼吸中枢は呼吸のリズムを形成しているとされています。
これは切断実験からも実証されています。
延髄と上位頚髄の間を切断すると呼吸が維持できなくなるが、延髄と橋の間で切断しても呼吸リズムは維持されたとされています。

そして、延髄の呼吸中枢は背側呼吸ニューロン群腹側呼吸ニューロン群に大別されます。

背側呼吸ニューロン群は主に吸気をコントロールしており、横隔神経を介して横隔膜の活動を調節しています。
同時に、末梢の化学受容器からの情報もここに送られてくるため、ここで呼吸に関する情報が統合されていると考えられています。

一方の腹側呼吸ニューロン群は呼気の調節に主に関与しています。
肋間筋と腹筋群を調節しています。
一部は吸気にも関与しているとされています。
また、咽頭や喉頭の筋を支配している迷走神経や舌咽神経にも関与しており、呼吸運動に伴う上気道の開閉にも関与しているとされます。
上気道の開閉というのは、吸気時気道内が陰圧になったとき虚脱を防ぐために咽頭や喉頭周囲の筋が働いています。

このように同じ延髄という場所であっても微妙に作用が違うようです。


橋の呼吸中枢は呼吸調節中枢とも呼ばれます。
呼吸のリズムの微調節を行っていると考えられています。
ややこしいですが、特に重要なのは吸気の終了に関与していることです(オフスイッチメカニズム)。
橋を切除すると吸気が延長し呼吸のリズムが乱れるという報告があるそうです。

このような中枢が呼吸のリズムを作っています。
そこに神経調節系化学調節系行動調節系という3つの系が関与して呼吸の補助を行っています。

化学調節系というのは、化学受容器を介して体内の酸素や二酸化炭素濃度をモニターし、これらを一定レベルに調節しようとする系です。
化学受容器もさらに末梢化学受容器中枢化学受容器中枢化学受容野)に分けられます。

末梢化学受容器の中核を成すのが頚動脈小体です。
大動脈小体もありますが、人の場合その関与は少ないとされています。
頚動脈小体は特に血中酸素濃度の調節に重要です。
頚動脈小体を除去すると低酸素に対する換気応答がなくなると報告されていますので、つまり実際頚動脈小体が血中酸素濃度をモニターし、換気応答を引き起こす唯一の器官と考えることができます。

動脈血酸素濃度が60mmHgを下回ると急激に反応し換気を刺激するとされます。
一方、動脈血二酸化炭素濃度に関する反応は乏しく、全体の10~20%程度とされます。
しかし、反応が早いので初期の換気応答に関与していると考えられています。

中枢化学受容器は具体的にこれ!!というのがまだよくわかっていません。
でも、場所はだいたい特定されていて延髄の腹側表面とされています。だから受容器ではなく受容野なんて表現されます。

こちらは血液ではなく脳脊髄液の二酸化炭素濃度、水素イオン濃度をモニターしています。
中枢化学受容野は脳脊髄液に囲まれているからです。
でも、二酸化炭素は血液脳関門をほぼ問題なく通過するので脳脊髄液の二酸化炭素濃度変化は血液中のその変化とほぼ一致します。

むしろ、血液中より脳脊髄液中の方が二酸化炭素に対する緩衝作用が弱いので水素イオンが増加しやすく、その結果換気が亢進します。

次に神経調節系です。
こちらは肺がどれくらい膨らんでいるのか、という機械的な情報を伝える系になります。
肺や呼吸筋などに存在する機械受容器から情報が呼吸中枢に伝えられます。

一番有名なのが肺の気道平滑筋に存在する肺伸展受容器ですね。
肺がある程度伸展されると受容器から情報が伝わり呼吸を抑制します(Hering-Breuer吸息抑制反射)。

先ほど橋のところでお話したオフスイッチメカニズムを覚えていますか?
忘れた方は上の記事を読み直してください。笑

このメカニズムが呼吸リズムに影響しています。
そして、この肺伸展受容器もこのメカニズムに関与しています。
要は吸息を抑制してスムーズに呼気へつなげるための機構であるということです。

あとは筋紡錘やゴルジ腱器官からの情報ですが、これは一般に習う筋の反射と同様です。伸張反射やⅠb抑制ってやつですね。
詳細は割愛しますね、少々内容が長くなってしまったので^^;

このように呼吸は様々な系が働いて維持されています。
これは呼吸の基本的な内容ですのでぜひ覚えておきたいですね^^